Bullet of the promise
□第二九話
3ページ/5ページ
コナン君たちと別れたあと、工藤邸に着き、インターホンを鳴らした。
「はい・・・いらっしゃい、友梨奈さん」
『こんにちは、沖矢さん』
玄関の扉が開き、沖矢さんが出てきた。
『え?博士のところで?』
家に上がり、お茶をしていたら彼から“今日は阿笠博士の家で作りましょう”と提案された。
「ええ。阿笠博士があの子の帰りが遅くなるみたいですから、ビーフシチューを作ってほしいと」
『ビーフシチューならば、沖矢さんだけでも…』
「いえ。少々不安もあるので、念のため友梨奈も来てください。
もちろん、私が作りますから」
何故そうも一緒に行きたがるんだ…。
別にいいけど。
『…分かりました。では、行きましょう』
______
____
___
「おお!!友梨奈君も来てくれたか!」
『ええ。丁度今日は沖矢さんのところに来る予定でしたから』
“では、キッチン借りますね”とエプロンを着用しながら沖矢さんと共に台所に着いた。
『沖矢さん、まな板を使ってもいいですか?』
「ええ、構いませんよ」
「じゃあ、ワシも何か手伝おうかの」
ピロロロ・・・ピロロロ・・・
博士もエプロンを着て台所に入ってきたら、突然近くのテーブルにおいていた博士の携帯が鳴った。
「はい、阿笠。ん、電話?…はあ、電話ならあったぞ。哀君から」
≪おい、とぼけるな!≫
電話口から怒鳴る声が聞こえ、博士は驚いたように携帯を耳から少し離し、“しとりゃせんよ!”と再び耳に携帯をつけた。
その様子にチラッと博士のほうを向くだけにし、それぞれ料理を続ける。
「今日は遅くなると哀君にが言うから・・・時間のかかるビーフシチューを作っておるんじゃからの♪」
「玉ねぎ、これくらいでしょうか?」
『ええ。いい感じです』
「玉ねぎ、そろそろいい感じですよ」
「おお、そうか?」
≪おい、そこに昴さんもいるのか?≫
「ああ。哀君のいない隙に友梨奈君と作りに来てもらったんじゃ。
彼の料理の腕はなかなかのものじゃからの〜!
なんたって友梨奈君直伝の料理じゃから!!」
「最初は大変でしたけど・・・」
『でも、大分上達しましたよ』
沖矢さんは褒められて少し照れくさいのか、小さく笑いながら、箸を動かし続ける。
「当たり前じゃ!目を離したら焦げてしまうじゃろ!
・・・え?友梨奈君か?」
「『?』」
う?私?
突然、名前が出たことにで沖矢さんと首を傾げた。
「すまんが、今友梨奈君も手が離せそうじゃ・・・」
『いいですよ、博士。変わってと、言っているのでしょう?』
「あ、ああ・・・じゃあ、友梨奈君に代わるぞ」
博士から携帯を受け取り、それを肩と耳の間に挟んだ。