Bullet of the promise
□第三三話
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学校からの帰り道、少年探偵団は元太が見つけた廃ビルで缶蹴りをする事になった。
「ほい、灰原見っけっと!」
「えー、哀ちゃんも見つかっちゃったの?」
「まあ、仕方ないわ。
必死になって逃げ隠れしてる人をネチネチ追い回して炙り出す事に悪魔的な才能を持った人が鬼なんだから・・・」
「あんだよ、その言い方・・・」
鬼になったコナンはあっという間に光彦、歩美、灰原と見つけ缶を踏む。
すると少年探偵団だけのアイテム探偵バッチから通信音がコナンの物から鳴る。
≪おい、コナン・・・このビル誰かがいるぞ!≫
「何!?」
通信相手はまだ見つけ出していない元太からで何か壁を叩いてるみたいな音がしていて最初に2回叩く音で2秒、間が空いて次は5回叩く音、さっきと同じように間が空いて2回したら止まる現象が起きていると伝えた。
「その音、今もしてんのか?」
≪いや・・・今はしてねぇけどよ・・・≫
これは252要救助者有りの東京消防庁の通話コードである。
「じゃあ、元太君が聞いた音がその252なら、誰かが“助けて”って言ってるんじゃない!?」
歩美達は緊急事態に戸惑う。
「兎に角、元太の所に行ってみよう!話はそれからだ。」
元太がいた階に行くとコナン達がここに来るまでの間、何も音はしなかったそうだが、突然上の方から壁を叩くような音を拾う。
しかし、次は元太が聞いた252の音ではなかった。
音が聞こえてくるのは上の階でそこに着くと音がする部屋を見つけた。
「オメーラは下がってろよ。中がどんな事になってるかわからねーからな」
コナンはその扉のノブを回しゆっくり開け中の様子を確認した。
すると中には細身と太った作業男性がいた。
「何だ?ボウヤ達」
「ダメダメ!ビルの中に勝手に入っちゃ!」
「何してるの?おじさん達」
「このビル取り壊すから壁を叩いて強度を調べてんだ」
“こんな具合にリズムに乗せてな”と金槌でコンコンと叩きながら言う。
「こいつすぐ調子に乗って、曲に合わせて叩いてしまってね」
「ねぇ、おじさん達って2人だけなの?」
コナンの質問に“そうだが?”と2人は答える。
「でもさーこれって今日のお昼に買って来たコンビニ弁当の食べかすでしょ?
弁当の容器が3人分あるよ」
「こいつが1人で2人分食べちまうんだよ」
「ああ。2人分なんかペロリさ」
「それよりボウズ共・・・ここは立ち入り禁止だぞ?」
「そうそう。早く外に出るんだ」
子供達は素直に従いこの部屋を出た。
「あ、そうだ。最後にひとつ聞いていい?
このビルを解体する時の爆薬ってどれぐらい使うの?」
「!!」
「このビルそこそこ大きいしそれなりには使うと思うよ」
「そっか!じゃあ結構派手にドカーンだね!」
そう言ったコナンは笑みを浮かべながら男二人と別れた。