Bullet of the promise

□第三五話
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大粒の雨が大量に降る外。


あるレストランに高校の後輩からの頼みでアルバイトを変わった私。


そのレストランで…









「頼太君!初音さん!結婚おめでとう〜!!」







パンパンパン!






結婚を祝うパーティーが開かれていた。



肩を寄せ合う二人の男女を中心に周りの者達が祝の言葉とクラッカーを鳴らしパーティ会場を盛り上げる。







結婚か〜…

仲良く寄り添う男女は結婚してすぐ新婚旅行に行くみたい。いいな〜…










ガシャン









「お、おい!」



「す、すみません!」






う?なんか揉めてる?



視線を辿ると、私と同じ今日一日アルバイトとして入った男性が持ってきたケーキが新郎となる男性のズボンの上に落ち、その上ケーキを踏んでしまったようだ。








『ちょっと、どうしたの!?』






カウンターからタオルを持って行ったら、見覚えのある人たちが私の顔を見て驚愕の顔をする。





「あ、落としたケーキがお客様のズボンに・・・」



「友梨奈さん!?」



『あれ?どうしてこの店に?』







そこにいたのは小五郎さんと蘭、そしてお馴染みの事件吸引器ことあの小さくなった名探偵だった。


これはこれは…またしても事件が起きそうなメンツだな…。







「明日結婚するこの判場は俺の高校時代の旧友でよ、今回のパーティに呼ばれたんだよ。

友梨奈ちゃんはどうしてここに?」



『一日バイトですよ。高校の後輩に代わりを頼まれまして…』



「毛利、知り合いか?」



『星宮友梨奈と申します。このたびは、結婚おめでとうございます。


あ、ズボン、大丈夫ですか?本当に申し訳ありません』






そう持ってきたタオルを渡した。





「本当にすみません。自分ここのバイト今日が初日で・・・」



「大丈夫。それより、お絞りとかをもう一枚持ってきてくれる?」





ウィンクしてウェイターに頼む新婦の加門さん。


そんな彼女に新郎の判場さんは色目使うなとヤキモチを妬いて注意した。



まあ、あのウェイターさん、サングラスかけているがイケメンさんだもんね。


肌黒で綺麗な変わった髪色。


初めて会った時はつい…







『外国人ですか?』



「いいえ、日本人ですよ」





と、爽やかに返されたっけ。









「変わってねぇな・・・手がはえーくせにヤキモチ妬きなところは」



「!毛利だって英里ちゃんに言い寄る男に眼飛ばしてたじゃなーか!」






小五郎さんの昔話に入る中、加門さんは立ち上がった。






「ったく、殿方達の独占欲には付き合ってられないわ」





まったくです。こっちもラブラブすぎてお腹いっぱいです。ゴチソウサマです。





判場さんがどこに行くかを尋ねると、加門さんは結婚式用のネイルをデコりにこれからネイルサロンに行ってくると答えた。





「付けるのは式の直前にすりゃあいいのに・・・どーせ寝る前に外すんだから」



「普通ネイルチップって24時間付けっ放しらしいよ」



「え!?風呂に入る時もかよ?」



『そうですよ。女性は大変ですから』






そんな会話をしながら加門さんを見送った。

まさかその後彼女の身に起こることも知らずに…。

























「いいじゃねぇか〜!独身最後の夜なんだからさ〜。もっと優しくしてくれよ〜」



「も〜判場君!奥さんに怒られちゃうよ?」





判場さんはお酒がはいっているせいで女性と絡んでいた。

なんて奴だ。






「あの、お客様」



「あん?またお前かよ?」



「先程からお電話が」






新人のウェイターさんに言われ彼女からメールがきていて電話に出なかったから写メで御披露目し30分後に加門さんは戻ってくるようだ。


すると判場さんの2つ目の携帯が鳴り通話に出るとそのままトイレに入った。




彼が入室し入れ替わるようにトイレから出てきたスーツを着たサングラスを掛けた男性が席に着き新人ウェイターさんに注文を頼んだ。






「バーボン・・・ロックで」



「かしこまりましっ・・・わぁ!?」



「気ぃつけろ!」





判場さんがウェイターにぶつかり怒鳴りつけた。

伴場さん、随分あのウェイターの彼に突っかかるな…





「おいウェイターさん。俺の注文覚えてるか?」



「あ、はい・・・バーボンをロックですよね?」



「OK。間違ってねーよ」





男性は親指と人差し指で輪を作りOKサインをしていたのをカウンターから見ていた。


そして、もう一人も・・・






「ねえ、これっておじさんの高校の同窓会も兼ねてるんだよね?

じゃあ、あのサングラスの男の人もおじさんの同級生?」



「う〜ん?覚えてねぇなぁ。なんたって20年振りだからよ・・・」










賑わう室内と違い、いまだに降る雨音は悲しい旋律を奏でる。






彼らの“悲劇”という曲を・・・








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