Bullet of the promise
□第三五話
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「た、探偵だと?」
まさかの一日バイトの彼は探偵だった。
探偵……事件をホイホイ呼びそうな人物がまた一人増えたな…
「可笑しいじゃなぇか?
初音に雇われた探偵が何で俺と初音の結婚パーティの店で偶然ウェイターをやってんだよ?」
判場さんはウェイターの男が探偵だと知り、疑問を彼、安室透さんに聞いた。
「偶然ではありませんよ。
僕がアルバイトとして採用されたこのお店をパーティ会場に選んで貰ったんです」
「一体何のために!?」
判場さんの質問に安室さんは彼を監視するためと応えた。
実際、安室さんは加門さんに頼まれていたがその証人は焼死してしまったため証明できない。
しかし、安室さんは彼女に判場さんの身近調査の途中経過を報告していた現場に居合わせていたという判場さんの横にいるサングラスの男が証明すると言った。
目暮警部はその男にも何者かを聞いたら、彼もまた判場さんに雇われた探偵だった。
え?え?なになに?
小さな名探偵に小五郎さんに、新人ウェイターさんが実は探偵で…?
で、また探偵ですか。
なんですか、なんですか?
今日は探偵デーですか?集まり過ぎでしょ。
判場さんから依頼されあの日、密会現場を突き止めることはできたが、相手の男はフードを被っていて顔が分からなかった。
だが今日、その時聞いた男の声がウェイターである安室さんに似ていたので彼をテーブルに呼び注文をし、改めて声が同じか確認して同一人物だという事をサインで判場さんに伝えていた。
「その直前に判場さんを携帯でトイレに呼び出したのは、店内に例の男がいるかもしれないから、これから確かめると伝えるため・・・
ですよね?」
「あ、ああ、そうだよ。
まさか、あんたが探偵だと思わなかったんだ。尾行してもまかれたしな」
「でも、判場さん。
彼女が謎の男と会ってることを知ってて結婚しようとしてたんですか?」
高木刑事の質問に小五郎さんも便乗したら、判場さんはその密会以来、加門さんは男と会っていないと探偵の男から聞いたし…
探偵を雇って彼女を探っていたと知られたら嫌われると思ったと弱気で答えた。
「お互い養子だってことまで打ち明け合った仲だったから」
「(判場さんが言っていた“同じ境遇”って・・・)」
それから今回の事件の真相を探る。
彼女の自殺をほのめかすメッセージ。
車の炎上と荷物。
判場の携帯メールの内容。
それから判場さんには加門さんを亡き者にする行動がとれると本格的に疑い始めた。
「状況から考えると・・・
その皮膚は車のそばで彼女が襲われ、抵抗し引っ掻いたときに付いた犯人の物である可能性が高い。
その皮膚のDNAがあなたのヘアブラシに付いていた毛髪のDNAとほぼ一致したんですよ」
「で、でもピッタリ一致したわけじゃねーんだろ?」
「ほぼという事は・・・
その付け爪に残っていた皮膚が雨や泥などで汚染され完全なデータが取れなかったためだと思いますが・・・
血縁者じゃない限りゲノム、遺伝子情報のほぼ一致はまずありえない。
ということを踏まえると、そのDNAは同じ人物のDNAと考えたほうが自然ですけどね」
「な、何だとてめぇ!?」
安室さんの推理で犯人は自分と決めたことに頭にきた判場さんは安室さんに殴りかかったが、避けられてしまい転倒した。
「や、やめてください暴力は・・・
毛利さん、彼を抑えて!また殴りかかって来られたら・・・」
「んな必要はねーよ。
おい判場、落ち着けって。まだあのヘアブラシについていた髪がお前のだったったと決まったわけでもねーし。
ちゃんとお前のDNAを取って調べてもらえばいいじゃねーか?」
小五郎さんが判場さんを落ち着かせている間、判場さんのあるところを見ていた。
う〜ん…もしかしてこの人…
隣の少年も何か気づいているようだ。