Bullet of the promise
□第三六話
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「では、上は洪水、下は大火事。これな〜んだ!」
「「温泉!!」
「ピンポーン!」
道路を走るビートルの中で嬉しそうに笑いあう子供たち。
哀ちゃんに誘われ、博士と少年探偵団の子供たちとともに温泉旅館に向かっていた。
「答えは風呂だろ?温泉は焚かねーんだから」
「あら、あながち間違いじゃないんじゃない?
大抵の温泉は、燃え滾るマグマの熱で温められているんだもの」
「まぁ、そりゃそうだけど…」
『まだ、小1には分からないことだから、大目に見てあげましょう?』ヒソッ
自分のひざに座る哀ちゃんと隣のコナン君の会話を聞き、不服そうな返事をするコナン君の耳元で言う。
「でも、どういう風の吹き回しだ?博士が温泉に連れて行ってくれるなんて」
「ちょっと修理に行くんじゃよ。
ワシの発明品を甚く気に入って大量に購入してくれた旅館の主人がおっての、お客さんたちに大好評だったようじゃが・・・最近故障がちらしくて」
「どんなの作ったんだよ?」
「もしかして、座っただけで温泉に入った気分と効能が得られる椅子とか?」
「すごーい!」
「それがあれば、温泉はいらんじゃろ;まあ、見てのお楽しみじゃ!!」
『でも、いいんですか?私まで来てしまって…』
「もちろんじゃよ!」
「歩美、友梨奈お姉さんとお出かけしたかったんだ!」
『私もよ、歩美ちゃん』
ああ!可愛い…
「あの人のところに行って、警戒を張り詰める日々が続いているんだから、ゆっくりするのもいいんじゃない?」
「あの人って…沖矢さんのことか?」
「ほかに誰がいるのよ?」
『ありがとう、哀ちゃん。誘ってくれて』
頭に手を置いたら哀ちゃんの顔はいつも大人っぽい厳しい顔から嬉しそうな少女のような顔になった。