Bullet of the promise
□第三七話
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「だったら犯人は・・・
この女に決まりだぜ!!」
「!!」
寺堂さんの名取さんを指す言葉により、容疑者三人の鉄山さん殺害動機が分かった。
寺堂さんは昨夜鉄山さんが電話を聞いていたそうだ。
「やっとその気になったか」とか、「湖上露天風呂で朝日に照らされて・・・」とか・・・
その上、「君が気に入らないなら、主役の男を変えてもいい」とか言っていたのを聞き、主役を変えられそうだった。
丹沢さんは、5年前、突然鉄山さんに映画の主役を降ろされ、それ以来役者をやっていないそうだ。
寺堂さんは、昨夜の電話を聞いていたため、名取さんが鉄山さんに色仕掛けで現場に呼び出し、殺害したと考えた。
それだと、女湯でなくなっていたことは頷ける。
名取さんも鉄山さんの電話の相手だったと認めた。「朝一番で女湯に来ていたら、他の客が来るまで一緒に入ってあげる」と。
だが、それは鉄山さんに赤っ恥をかかせるために名取さんがついた嘘だったと話した。
名取さんは、自分を含め、鉄山のセクハラにかなり迷惑していた。
丹沢さんも、寺堂さんによって動機が分かり、それを認めた。
だが、当時は恨んでいたが、今は感謝していた。おかげで、役者以外のいろいろなことを経験できたからだと。
「私だって、殺したいほど憎んでいたわけじゃないわよ!」
「お、俺もだよ!!」
すると、現場を捜索していた刑事の一人が、脱衣所の籠の裏に水が入った日本茶のペットボトルが見つかった。
それと、現場周辺の湖の水面にマッチの燃えカス捨てられていたと言う。
「あの・・・」
「ん?」
「本館から桟橋に入る入口にいるあの従業員さんたちにその三人を会わせたらどうでしょう?」
「そうね。
一晩中現場に潜んでたなら、今日はまだあの入口を通っていないはずよね?」
こうして、光彦君の提案により、桟橋の入口にいる従業員二人に話を聞くことにした。