Bullet of the promise
□第三八話
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「もう少しよ…この先の角を右に曲がって、少し行ったところにいるわ…」
哀の指示で、コナンの居場所をつきとめた昴の車は、ゆっくりと速度を落とし近づく。
「と、とにかくこのことを蘭君に…」
『待ってください、博士…』
「それはまだやめておいたほうがいい…」
「え?」
「コナン君がどういう状況か分かっていません。まさかと思いますが、向かい寄るためだけに終わってしまう可能性もないわけでもありませんから…」
「そ、そんな…」
「とにかく、連絡は現状を把握してからに…それと、君にも念のため言っておきますが…」
博士が了解したのを確認すると、昴はミラー越しに今度は哀に注意をした。
「彼もしくは彼の乗る車を発見しても無茶な行動には出ないように…。彼の命を危険に晒すことにもなりかねませんから…」
「それぐらい分かっているわ。子供じゃないんだから…」
「確かに…。友梨奈さんも、ですよ」
『分かりました…』
パンッ!
「ん?」
「い、今銃声のような音が…」
突然聞こえた大きな音に驚くと、目の前に青い車が横切った。
「あの車よ!あの車に江戸川君が乗ってるわ…」
「では、友梨奈さん。このことを毛利さんに知らせてください…」
『分かりました…』
「え?警察じゃなくて?」
「こうなった経緯を正確に警察に伝えることが出来るのは彼らのみ…車種と色とナンバーを伝えて検問を張れば止められます…」
「じゃ、じゃが人質を楯にとって検問を突破されたら…」
「その時は…」
「!!」
ドックン――・・・
昴から何かを感じた哀は友梨奈の服を掴む。
「力尽くで止めるまでですよ…」
哀が掴む手に力が込めたことが伝わり、大丈夫と言う意味を込めて友梨奈は小さな手を自分の手で覆った。