Bullet of the promise

□第三九話
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キーンコーン、カ-ンコーン・・・









それから数時間が経ち、学校の放課後を知らせるチャイムが鳴り響く時間。



コナンは掃除当番で教室の机を運んでいたら、工藤新一用の携帯に蘭からのメールが届いた。


メールにはこう書かれていた。






“今日、登校中に殺人現場に遭遇したんだけど・・・なんと現場に残されてた血の文字が、10年前に新一が見せてくれたあの文字とそっくりだったよ!

世良さんや園子もその写真を見たいって言うから・・・学校が終わったら新一の家で探そうってことになったんだけどいいよね?
大体の場所はわかるから”







「(10年前の血の文字って・・・父さんが途中でばっくれたあの事件か?


・・・・!!て、ちょっと待て!
“探そうってことになった”って、まさか世良や園子も俺の家に!?)」






そのメールを見て、コナンは急いで教室を出て、工藤邸に向かった。























一方、学校が終わり下校する蘭、園子、真純。

彼女たちは工藤邸へ向かっていたが、蘭の携帯に新一からメールの返信が来た。





“勝手に家ん中をほじくり返されるのも何だし、コナン君にその写真の場所を教えて取りに行かせたから、それを探偵事務所に持って行かせるってことで勘弁しろよな”






「・・・・じゃあその場所、私に教えなさいよ・・・」






メールを読んで不満の顔をする蘭に親友は“分かった!”と声を上げる。






「その写真の近くにエッチな本でも隠しているんじゃないの!?」



「でもさー・・・着いちゃったよ」







真純が立ち止まると蘭たちも歩くの止め、振り向く。彼女たちの目の前には、着いた目的地、工藤新一の家だった。





「ここだろ?工藤新一君の家・・・

どーせなら、入ってみようぜ!この家に住んでるっていう“昴”って人にも会ってみたいしな!」





悪戯っ子のような笑みを浮かべる彼女を先頭に、三人は結局は折ることにした。








「お邪魔しまーす!」



「あ、コナン君の靴」



「もう来ているのか!」



「素早いわね、あのガキンチョ!」













「でもさ〜昴さんって前から気になってたことがあるんだよね〜」







家に上がり、園子は沖矢についてずっと気になっていたことを話す。






「え?何なに?」



「だってほら、あの人いつも首元隠すような服ばっか着てるじゃない!」



「え?そうだっけ?」



「うん。だからきっと、首に恥ずかしいタトゥーとか入れてて隠してるんじゃないかってね!」



「う〜ん、そう言われれば・・・」



「だからさ、いつか隙を見てパーッと上着をひん剥いちゃいたいけど!どお?」



「“どお?”って・・・それって単に園子が昴さんの裸を見たいだけじゃないの?」



「まあそれもあるけど・・・」














ガタンッ・・・












「?コナン君・・・」





廊下を通っていたら、その途中にある部屋の扉から物音がしたのを拾い、真純が扉のドアノブに手をかけ開けた。






「ここにいたのか!・・・・・・!?」



「………?」






開けた扉の先にいたのはコナンではなく、洗面所で歯磨きしている沖矢。








「「………。」」








初めて顔を合わせる二人は、時間が止まったように、お互いの顔を一時見ていた。







「あ、昴さん・・・あのコナン君が来てると思うんですけど」



「ん、ん…」



「あ、もしかして書斎のほうに?」



「(コクコクッ)」




「じゃあ、そっちのほうに行ってみます!・・・園子!」



「・・・・・(首元にタトゥーはないか・・・)」



「世良さん行くよ!」



「・・・・うん、分かった」









キー・・・












バタンッ











真純は少し警戒するような様子で扉を静かに閉めた。



扉が完全に閉まったのを目で確認すると、彼は袖から赤い櫛を取り出した。
































書斎に一人でせっせと箱を持ち運びするコナンに探す手伝いをしようか聞いたが、コナンに一人で大丈夫と言われ、女子高生三人はキッチンでお茶にすることにした。






「やっぱ新一君隠してるんじゃないかな〜、エロ本」



「まさか・・・」



「だって毎月勝手に蘭に掃除されてたのに、その写真だけ探させないって怪しくない?」



「でも・・・」



「!!いや、隠してるのは女の存在かもね」







台所を何やらごそごそと探していた真純の突然な言葉に二人は驚く。








「見ろよコレ、髪留めのゴム。棚の上においてあったぜ。女ってついついこういうところに置いちゃうんだよな?」



「あ、あぁ・・・きっとそれ新一のお母さんのだよ。ね?」



「そういえば、よく髪まとめてたし」



「ん?でも、洗う前の食器の中に口紅を親指で拭ったグラスも混ざってるけど」



「「ええっ!!?」」



「そして、洗い場の排水口には長い髪の毛。カツラの毛みたいだけど」









すると、園子がテーブルに両手を強く押し付け、身を乗り出した。






「ま、まさか新一の奴、女を連れ込んで浮気を!?」



「そう思うんなら、髪の毛(コレ)を写真で保存し、日記につけとくといいよ」







真純の裁判になったときに役立つ方法やアドバイスを蘭は携帯のメモに打つ。







「それであの口波長な推理野郎をやり込められるんですか、先生!?」



「ま、まあね・・・;


っていうか、工藤君はしばらくこの家を空けてるんだろ?普通に考えたら、さっきの昴って男が連れ込んだ女なんじゃないのか?」



「そ、そうだね・・・;普通に考えたら・・・」



「そっか、友梨奈さんっていう可能性のほうが高いよね・・・;」



「友梨姉?友梨姉がどうしたの?」



「あ、世良さんは知らなかったね。友梨奈さん、毎週ここに来て、昴さんに料理を教えたりしているみたいなの」



「え!?じゃあ、あの人の彼女、友梨姉なの!?」


「あぁ・・・いや、彼女ではないけど・・・」






“流石に人の片思いを軽く他人に言うものでもないしな・・・”


と、蘭と園子の心の声は真純に聞こえるはずもなく、二人の言葉の意味が分からず首を傾げていた。





その後、書斎からコナンが封筒を持ってキッチンへ入って、例の写真と今朝撮った写真を見比べた。
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