Bullet of the promise
□第四三話
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コナンSIDE
腹ごしらえのために公園でサッカーをしていた俺たちだったが…
途中、喫茶ポアロを根城とする野良猫、大尉を追って冷蔵物を扱う宅配便のトラックのコンテナに閉じ込められてしまっていた。
しかも灰原のセーターが解れ、服を持っていかれてしまって出ように出られなくなった上、車内で男性の遺体を発見してしまった。
俺は元太たちが持っている中からレシートと綿棒と霜焼けの痒み止めを使って、トラックナンバーとその状況の暗号をタイイに託した。
だが、それから時間が経つが助けは来ず、その上光彦が寒さで意識を失ってしまった。
何とか、灰原の体温で意識は戻り、別の方法で助けを求めることを考えた。
「くっそー・・・本当だったら博士んちで美味いケーキを食えてるはずだったのによ・・・」
「横浜のケーキ屋さんだってさ」
その元太と歩美の会話に、灰原に横浜からの取り寄せであるか、学校からのいつもの下校時間に合わせて時間指定で取り寄せたことを聞き、新しい方法を思いついた。
「コ、コナン君?あんまりいじるとバレちゃうよ!」
「!!あったぜ!博士んちに届くケーキ!」
「お!今食べるのか?」
何アホなこと言ってるんだ。
「バーロ。今度はコイツにメッセージを仕込むんだよ!光彦が持っていたボールペンと歩美ちゃんが持っていた綿棒でな」
光彦や灰原が荷物に書くならば止めておいたほうがいい、とか、博士がそのメッセージにすぐに気づくか、と言うが、“大丈夫”って応える。
「届ける相手は博士じゃねーしな」
そう言って持っている綿棒を動かした。
SIDE終了
飾りも完成し、パーティーに出す料理の下ごしらえを少ししたら、今日の夕飯の準備を始めた。
「そろそろ夕食も作りますか?」
『いえ、それはすぐに作れますから・・・』
ピーンポーン!
すると、インターホンが響き、動かしていた手を止めた。
『今日、有希子さん来る予定でしたか?』
「いえ、その予定は・・・私が出てきます」
『お願いします』
沖矢さんがリビングに取り付かれたインターホンの連動電話の受話器を取って出た。
「はい?」
≪あの、チーター宅配便ですけど…そちらに阿笠博士様はいらっしゃいますか?≫
「ああ、阿笠さんなら隣ですけど?」
≪いや、“工藤様方、阿笠博士様宛ての荷物を届けにきたのですが…≫
「・・・ああ、思い出しました。ケーキですね?
本人は隣の部屋で手が放せない作業をしているので、私が受け取りましょう」
そう言って、沖矢さんは受話器を置いて玄関に向かった。
「お荷物はこちらです」
「ご苦労様です」
どうやら宅配業者のようだ。
何を頼んだのだろうか?
『沖矢さん、一人で大丈夫ですか?』
「わっ!」
ドサッ・・・
一人で運べる物か分からないから手伝おうと玄関に向かうと、宅配業者はその荷物を落としてしまった。
あらら…
「す、すみません!」
「いえ、大丈夫ですか?」
「いや〜綺麗な奥様ですね!びっくりしてしまって・・・」
『え!?あ、いえ・・・私は・・・』
「ええ、自慢の妻です」
『――っ!?///』
宅配業者の勘違いを撤回しようとするけど、沖矢さんの悪乗りした。
何て事言うんだ!?
鯉のように口を開けたり閉じたり…間抜けな顔してるだろうな…
そんな私に面白そうに沖矢さんは微笑みながら荷物を受け取ると、彼は荷物の配達伝票にじっと見た。
「すみません友梨奈さん。これを冷蔵庫に入れてもらってもいいですか?」
『え、ええ・・・』
「それと、もう一つ頼んでも?送ってもらいたいのがありますので」
と、私に荷物を渡して奥に行った。
“何だろ”っと思って配達伝票を見ると・・・
“工藤様方 阿笠博士様”と書かれていた。
それも後から書かれたものだ。
っという事は、また事件に巻き込まれたのだろう。あの事件ホイホイは…。
そう考えていると、沖矢さんは何やら小さな箱を持って宅配業者に渡し、
「では、お願いします」
「はい。ご利用ありがとうございました」
と、ドアを閉めた。