Bullet of the promise
□第四五話
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昴SIDE
「うわー!」
「すっげー!!」
「水槽のトンネルだー!!」
博士の代わりの引率でコナン君や少年探偵団はと共に、水族館に来ていた。
しかし…
「でも、当然だけど恋人とか多いわね・・・」
茶髪の少女の言うとおり、周りのほとんどは恋人や家族連れ。
今日はクリスマス・イヴ。
特に恋人にはうってつけのデート日であり、冬の水族館も最高のデートスポットだとこの前ニュースであっていたのを思い出す。
しかし、子供たちはそんなこと気にせずに水槽に泳ぐ魚を見て、スゴイや綺麗やと楽しんでいた。
昼になり、水族館内にあるレストランで昼食をとることになった。
「うっめー!」
「おい元太、食べ過ぎるなよ?」
「でも、お魚さんを見ながら食べられるなんて、楽しいね!」
「ええ」
バイキング形式の料理も美味いが、レストランの雰囲気もいい。
中心に水槽の柱がそびえ立ち、壁は大きな水槽が広がっている。
大人っぽい雰囲気だが飽きることない、子供から大人まで楽しむことができるみたいだ。
楽しそうに話す子供たちを見ていながら珈琲を飲むと・・・
「なあなあ、君一人だろ?」
「俺らと一緒に回ろうぜ?」
顔を向けると、あまり離れていない二人用のテーブルに二人の男が立っており、一人の女をナンパしていた。
「連れが・・・男と来てるの」
「またまた〜俺らずっと見てたけどよ、君ずっと一人でいるだろ?」
「そのあともっといいところ連れて行ってあげるから、一緒に行こうぜ」
二人の男のうち一人が女の腕を掴み無理やり立たせようとする。
周りのものは関わりたくないためか、彼らを見るだけで行動に出ない。
「あの人たち無理やり連れて行こうとしてますよ!」
「ひどい!お姉さん嫌がっているのに」
「よし!俺らで助けに行こうぜ!」
子供たちが席を立つと、コナン君が“いや”と止める。
「その必要ねぇみてーだぜ」
「イタタタタ…ッ!!何しやがるてめー!」
コナン君が言った直後、男の悲鳴が店内に響いた。
見ると、また別の男が女の腕を掴んでいた手を掴み離していた。
「コイツはお前たちのような奴が触れていい女じゃない」
低く落ち着いた声の男。
彼は掴んだ手の力を込めたのか、ナンパの男の悲鳴が大きくなる。
『劉』
ナンパされていた女だろうか。聞き覚えのある声が聞こえると、女は席を立ち、男を止める。
あれは・・・
「あれ?もしかして友梨奈お姉さんじゃない?」
と、カチューシャの少女の言うとおり、その女性は友梨奈さんだった。
いつもは
ストレートの髪は上に束ね
下はズボンやショートパンツ
スカートをはくときはあるが割と長いもので、ミニスカートの場合はレギンスをはいたりと動きやすい格好をしていた。
それが目先にいるのは・・・
白のハイネックニットにひざ上くらいの赤いスカート。
少し巻いて緩く斜めに束ねている髪。
いつもと違う彼女に皆目を奪われていた。