Bullet of the promise

□第四八話
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「あ、あれって審査員の武木さんじゃない!?」



「ウソ・・・あ、ちょっとコナン君!!」



「君は来るな!








ここから先はボクらの領域だから」







「ボ、ボクらって…」








コナン君が前の観客を掻き分けながら武木さんの元へ行くのを見て、蘭も追おうとしたが、真純ちゃんに止められた。







『大丈夫。蘭たちはここにいて』



「は、はい…」










彼らの後を追って遺体状況を見る。

死因は後頭部にある傷で、遺体の硬直具合から死後半日以上は経っている。





箱の縁と内側に血を拭き取った跡があるため、箱のフタが開いているときに頭をぶつけ、そのままリンゴと一緒に箱の中に入れられたのだと考えられる。




一応何か見ているかもしれないため、スタジオ内のギャラリーたちも別室で待機してもらい、すぐに警察に連絡してもらった。





真純ちゃん。「笑える探偵」って言っちゃだめだよ。



笑えるけど。













______
____
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「もー、また事件にせいで台無しよね!」





ホントにな…。



別室の待機から開放され、コナン君たちの元へ向かいながら園子ちゃんはため息をついた。





「そういえば、友梨奈さんは捜査に参加しなくてもいいのですか?」



『ええ。私たちは長期休暇で来日しているから、基本日本警察の捜査にあまり手を出さないようにしているの』







現場のスタジオに着くと、カーテン越しに小五郎さんとコナン君、真純ちゃんの声が聞こえる。







「にしても、何であんなに詰めてんだ?チャンピオンとチャレンジャー二人合わせても、番組中に10個も使わねえだろうに」




「全くあのオヤジは・・・そんなことも分からないの?箱いっぱいの方が見栄えがするからよ」







シャッと勢いよくカーテンを開け、園子ちゃんを先頭に蘭と小五郎さんの疑問に答える。


園子ちゃんカッコいい〜






「余ったフルーツは収録が終わったら毎回ギャラリーに抽選で配るし。

まあ、箱を重くしすぎないように上げ底にしたあるらしいけど」



「毎回滅多に手に入らない珍しいフルーツだから、それ目当てでこの番組のギャラリーに応募する人もいっぱいいるみたいだよ」



『それで、犯人分かったの?』



「ぜ〜んぜん、全く。鍵を開けた方法すらさっぱりさ。

ていうか、友梨姉まで何で別室に行ったんだよ?」



『ごめん、ごめん。拗ねないで』



「まあ、そんなのはあの謎に比べりゃ些細なことだが」









小五郎さんの言葉に何だ何だと彼に問うと・・・






「ヨーコちゃんの後ろ髪だよ!」





この前の生番組では結構短かったのに、今日はロングヘアー。

その成長スピードは尋常じゃないと悩んでいたそうだ。


ああ…事件関係ないのね。







「あ〜!あれ多分エクステだよ」



「え、えくす・・・」



「ヘアーエクステンションの略で、所謂付け毛よ」



「付け毛…;」



『ヨーコちゃんの場合は、髪留めのところで上手くごまかしてるんだと思うよ』



「!!」






こんな事件に関係ない会話をのんびりと話していると、コナン君は何か思いついたような顔をした。










すると・・・











ガシッ!










「あっ!君も今、ボクと同じこと思いついただろ?」







コナン君の両肩に手を置き、真純ちゃんの笑みを浮かる。その時出る八重歯を見せて…







コナン君もじっと真純ちゃんを見ている。
なになに?浮気?







「ん?なんだなんだ?ボクの顔に何かついてつのか?」



「あ、いや・・・なんでもない」



「写真も撮りましたし、箱を持ち帰ってじっくり調べますか?」



「そうだな」





鑑識の二人にコナン君は箱に入っていたリンゴは零れていたものやフタの内側にはみ出したものを含め、それで全部なのかと聞くと、“そうだよ”っと答えてくれた。







「なあ、いつもあの箱にはお題の果実がいっぱい詰まってるって言ってたよな?」



「うん。2〜3個箱から零れるくらいに」



「だって司会者の剣崎さんの決め台詞が・・・



“ご覧下さい、この溢れんばかりのフルーツを!”



なんだから」







!!





「「(だとしたら・・・それが証拠になる!)」」



「友梨姉も一緒に来て手伝って!」



『え、ちょ、真純ちゃん!?』






急に真純ちゃんから腕を掴まれながらコナン君と一緒にどこかへ連れて行かれた。

ちょ、何処に行くの?






「あのガキンチョ、まるで服部君と一緒にいる時みたいね。ん?どうしたの蘭」



「波・・・」



「え?」


「なんかね、世良さんが走り去る後ろ姿を見ると、いつも耳の奥で聞こえるの。


さざなみの音が・・・ますで魔法にかかったみたいに・・・」






そんな会話が聞こえ後ろを振り向くと、蘭は真純ちゃんの後ろ姿をじっと見ていた。



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