Bullet of the promise
□第四九話
1ページ/3ページ
今日はバイトもお休みの日曜日。
「「「「お邪魔しまーす!」」」」
蘭、園子ちゃん、歩美ちゃん、哀ちゃんが家に来た。
「わ〜!!」
「すごい!広いですね!」
『園子ちゃんの家には負けるけどね』
っていうか、彼女の家に勝てるところってあるの?まずここマンションだった。
初めて来る家に、皆興味深々。
あ、こらこら。そっちは行っちゃダメです。
で、そんな蘭たちだが、何故急に家に来たかと言うと…
『さ、始めましょうか!』
バレンタイン・チョコ作り!
そう、明日は女性にとってとても忙しいバレンタインデー。
普段お世話になっている人には感謝の、好きな人には愛のチョコを渡す日。
今日集まったのは、そのバレンタインチョコ作りのための女子会。
皆可愛らしいエプロンを纏い、チョコ作りが始まった。
________
______
____
「友梨奈お姉さん、こんな感じ?」
『うん、上手に出来てるよ。』
「友梨奈さん。これってどういうこと?」
『ああ、これはね…』
分からないところは菓子作りが趣味な私に聞き、皆とても綺麗にチョコが出来ていく。
『皆、誰に渡すの?』
「もっちろん、真さんよ!ほら、私の愛のチョコレート!」
園子ちゃんの前にあるまな板には“MAKOTO LOVE♡”と書かれたハート型のチョコ。
愛だね〜
「あゆみは、パパとコナン君!」
「あら、可愛い!!」
可愛らしくトッピングされたカップチョコ。
お、なかなかいいセンスしてるじゃないですか。
「哀ちゃんは?」
「博士と吉田さんと友梨奈さん」
『あら、ありがとう!』
「すごーい!哀ちゃん」
綺麗な形が哀ちゃんらしいトリュフ。
おや?博士のだけなんか一回り小さいような。
「私は…」
「どうせ、旦那の新一君にでしょ!」
「違うわよ!!///お父さんや皆の分!」
「照れない、照れない!」
照れない、照れない!
蘭の前には6つの様々な型のチョコとその端にハート型のチョコが置かれていた。
ちゃっかり作ってるじゃないですか、お嬢さん。
「友梨奈さんは?」
『私はあげる人たくさんいてね…作りすぎちゃったかな…?』
目の前にはオレンジガトーショコラ、チョコマフィン、トリュフ…
ちょっと作り過ぎた…?
「す、すご…;」
「いつの間にこんな…」
『ガトーショコラは少年探偵団に、チョコマフィンはジョディさんたちに、トリュフは博士と小五郎さんと真澄ちゃん、あと劉と晴香にあげようと思って…』
「あ、あの…友梨奈さん」
蘭が少し言いづらそうに言う。
「昴さんには渡さないのですか?」
と。
………へ?
『昴さんは大学でいっぱい貰ってくるかなって思って…それに彼、甘いものは好きか分からないし…』
「ダメですよ!友梨奈さん!!」
園子ちゃんがグイッと顔を近づけてきた。
近い近い…。
可愛いお顔が近くてお姉さんドキドキしちゃう。決してそういう趣味じゃないよ、間違えないで。
「どんなにいろんな人から貰ったとして、一番貰いたい人である好き(ムグッ)」
「す、昴さんもよくお世話になっているんですよね?だったら、そのお礼として作るのもいいんじゃないですか?」
園子ちゃんの口を塞ぎ、蘭は急いでフォローを入れる。
なんだったんだ?
顎に手を当て考える仕草し、自分の作ったチョコを見つめた。
その後、全員でラッピングを終え、自分のチョコを紙袋に入れて家を後にした。