Bullet of the promise

□第五一話
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「うわー!スゴーイ!!桜のトンネルだ!!」




春休みのある日。



コナンたちは3泊4日と長い旅行のため、友梨奈と一緒に彼女の幼馴染、七条劉の家の別荘へ向かっていた。




レンタルしたバンに乗っているのはコナンや友梨奈の他に


蘭、園子、小五郎


少年探偵団に哀、阿笠博士


劉、昴だった。







「すまんの、ワシらまで」



「いえ、誘ったのはこちらですから。気にしないでください」



『別荘が広いから二人で行くのは、ちょっと寂しいからね』





博士が申し訳なさそうに言うと、劉は運転しながらミラー越しに、友梨奈も助手席から後ろを見ながら答えた。




「しかし、私までよかったのですか?」



『昴さんまで…本当に気にしないでください。
私がいつもお世話になっているから是非って言ってほぼ無理やり連れてきたようなものなんですから。

それに、劉も昴さんと話してみたいそうだから。


ね、劉?』





友梨奈は安全運転をする幼馴染に聞くと、彼はあぁ、と短く肯定した。






長い桜満開の道を走らせている間、後ろは各自雑談をして盛り上がっていたが、前二人に会話はほとんどない。





それぞれ運転しているだけや窓の外を眺めるだけ。





だが、決して気まずい空気は流れず、それが当たり前のようだ。





すると、劉はチラッと友梨奈のほうを見たかと思ったら、急に彼女側の窓を開け始めた。





半分開いた窓から入る髪を撫でる風が心地いいのか、友梨奈は目を細める。






その様子を見ていた少女は急にこう問う




「ねえ。劉お兄さんと友梨奈お姉さんってテレパシーが使えるの?」



「『??』」






その質問に聞かれた彼らはもちろん、今まで雑談していたコナンたちも少女を見た。





「どうしてですか?歩美ちゃん」



「だって、劉お兄さん、友梨奈お姉さん何も言ってないのに、すぐにお姉さんがしたいこと分かったもん!

今窓を開けた時もスーパーのときも」






歩美の言うとおり、約2時間前・・・





















『あ、劉。
悪いけど…』



「スーパーに寄るのだろ?夕食等の材料を買いに。」









寄る前の道でも・・・








「友梨奈、ついでにすまないが…」



『珈琲、アイスでいい?』



「あぁ、頼む」






車を降りるときも・・・










「そろそろ、出てくるか…」






そう言って車を降りたほぼ同時に友梨奈や蘭たちがスーパーから出てきたのだ。













歩美が今までのことを話すと蘭たちも思い出したような声を出す。




「そういえば、そうだね…」



「どうして分かるんですか?」





蘭たちは不思議そうに聞くが、本人たちはきょとんとした顔をする。






『一緒にいた時間が長いから、お互いのことをなんとなく分かるようになったの。


歩美ちゃんだって、コナン君や哀ちゃんより、幼稚園から一緒にいる光彦君と元太君のことのほうがよく知っているでしょ?』




「うん。でも友梨奈お姉さんたちみたいにはできないよ?」




『当たり前だよ。私たちは歩美ちゃんたちよりもっと長く一緒にいて、それぞれのことを見ているのだから。

でも、そのうちなんとなく分かるようになるかもしれないよ』







“私たちも最初はそうだったの”と最後につけると、歩美は彼らが羨ましく思った。








「そろそろ着く。準備をしろ」





劉がそう言うと、子供たちは荷物を纏め降りる準備をした。
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