Bullet of the promise
□第五二話
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翌日早朝。
劉とコナン君たちを連れてある場所へ向かっていた。
皆まだ眠たそうで、目を擦りながら歩く者もいた。
それもそのはず。
昨夜消灯時刻が早かったとは言え、まだ日が昇っていない時刻。
勿論、無理強いすることなく小五郎さんのようにまだ夢の中にいる者は別荘でお留守番。
何故こうなったかというと、話は昨夜蘭たちが温泉から帰ってきた後に遡る。
〜回想〜
きっかけは温泉から戻ってきて、皆でリビングで寛いでいたとき劉が発言だった。
「友梨奈。明日何時に出る?」
朝食の下ごしらえを終え、作ったつまみを持ってリビングに戻ってきた私に彼は小五郎さんと酒を交わしながら言った。
「どこか行くんですか?」
『日の出を見に行くの。これも毎年恒例だから』
「じゃあ、私たちも一緒に行っていいですか?」
「歩美も行く!!」
『でも、日が出る前に出るから、結構早い時間になるよ。森の中も歩くし…』
最後に“大丈夫なの?”と聞くと、歩美ちゃんたちは元気よく頷いた。
“本当に大丈夫なのか…?”と思ったが、子供たち(2名除外)のきらきらした目を見ては了承するしかなかった。
純粋に勝てなかった。
〜終了〜
「あの、友梨奈さん…まだ着きませんか…?」
『ごめんね。もう少しだから』
前で元気に歌いながら進む子供たちに比べてハアハアと息切れする園子ちゃん。ごめんね。本当にもうすぐだから。
「着いたぞ」
先頭を歩いていた劉が立ち止まったが、まだ日が昇る前で辺りは暗かった。
劉はポケットからスマホを取り出し、時間を確認。
「現在5時の1分前…」
「は、腹へった…」
「もう、元太くんは…」
『クッキーあるけど、食べる?』
「お、ラッキー!いっただっきまーす!」
「てか、友梨奈姉ちゃん…そんなの持ってきてたのかよ…;」
『念のため、念のため!あ、みんなも食べる?』
上着のポケットや持ってきていた手提げバックからクッキーやら水筒やら出す。
だってまだ朝ご飯食べてないでしょ?お腹空くじゃない。
四●元ポケット…?
と、誰かが呟く声が聞こえた。ドラ●もんはいないぞ。
その傍で慣れているはずの、劉の口からもため息が一つ漏れていた。お菓子やらんぞ。