Bullet of the promise

□第五六話
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「まあ兄の方が僕より3倍は強かったけどね」



「で、でもさ…お兄さんって亡くなったって言ってなかったっけ?」



「ああ、そう聞いてるよ」



「でも、この前世良の姉ちゃん、お兄さんに電話かけてなかった?」



「あー!あの電話聞いてたのか?

もう一人いるんだよ。頭キレッキレの真ん中の兄貴が。

亡くなった兄や僕とは違って、パパ似だから僕とは似てないんだけどね」



『え!?もう一人いたの!?』



「あ、そっか!友梨姉も知らなかったっけ?」







なんか今、大事な仕事の真っ最中らしくて、居場所とかちっとも教えてくれないけど、たまに電話やメールで推理の相談にのってもらってるんだ






「この前の事件もその兄に“僕の推理は危うい”って言われたんだけど…


ま、君もいるから間違ってたら修正してくれるかなって」






真純ちゃんは再びコナンに顔を向け、笑顔でそう言った。





「あ、僕じゃなくて新一兄ちゃんがね!」



「〜〜♪」






まさか真純ちゃん、コナン君が工藤新一だってこと知っるのかな?








私たちがそんな会話をしていると…






「と、ところで園子さん…その服は洗濯に失敗したんですか?」



「え、失敗?」




失敗?





「襟元が伸びきって、下着が見えてしまっていますよ…」



「!!こ、これはオフショルダーって言ってわざと見せてるのよ!///それに見せブラだし!」



「み、見せブラ!?その下着は見せるための下着ということですか!?」



「そ、そうよ…///」





ファッションに疎いのか、京極さんもそれを説明する園子ちゃんもお互い頬を染めて会話していた。



京極さんって完全日本男児なんだね〜






「それより京極さん。右手の甲から血が出てますけど、まさか世良さんとやり合った時に?」



「いや、これはさっき外で…」



「あの…さっきはすみませんでした。お怪我は大丈夫でしたか?」






京極さんに話しかけてきたのは、中学校の数学教師である門奈道子(もんなみちこ)さんだった。




何があったのかと園子ちゃんが聞くと、門奈さんの連れの男性が京極さん絡んできたため、仕方なく京極さんは鳩尾に一発入れたとか…

なんと……;







「彼、ああ見えても、中学校の体育教師なんです」







そう言って入ってきた、門奈さんのもう一人の連れで、中学校の理科教師である正木すなみさんは、

その連れの男性である丹波(たんば)先生と言う人は普段は真面目な先生だが、酒が入ると人が変わってしまうこと、今車の中で寝ていて、寝言で京極さんに対して悪態をついていたことを話した。








「それより、この後どうする?」



「そうね…本当は彼にボウリングを教えてもらう予定だったけど…」



「先生方…ヒック…だいぶお困りのようですな?…ヒック…何でしたら、この私目が行ってご教授を…ヒック…」



「「「「………;」」」」



『小五郎さん、随分酔ってるみたいね…;』



「たくっ…;」





やけ酒で完全に酔っている小五郎さんの申し出に蘭は呆れた顔で父を見ていた。










_______
_____
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「腰ですよ、腰!腰をもっとコッチに。ボールを持った時、軸足とボールと頭が一直線になるようにね?」



「は、はい…;」






小五郎さんは必要以上な密着と厭らしい手つきで門奈さんに教える。


ちょ、下手したら訴えられますよ…







カコーンッ!








「わ、すごーい!」



「そうそう、お見事お見事!!」






門奈さんに拍手を送る小五郎さんは今度は正木さんの隣に座り、肩を抱いた。





「いやー!先生方の御教授ができるとは、光栄の行ったり来たりでありにゃす!
ナァーハッハッハッ!!」



「……;(あの親父、いつかセクハラで捕まるな)」









次に、園子ちゃんの彼、京極さんがボールを投げるとき…







「真さーん!頑張ってー!」



「!!――ッ///」











ドゴンッ!!










「え゛っ…」









勢いよく投げたボールはピンにあたるどころかその上にあるストライクを表すランプにクリーンヒットさせた。



むしろそこまで投げれたのがすごいよ。




投げた本人は勿論、それを見ていた園子ちゃんや私たちだけでなく、他のお客さんたちも青い顔をする。












『Oh…;』



「……;(この男はいつか器物損壊罪で捕まりそうだ…;)」



「やはり、自分にはこういう小洒落た競技は向かないようで…」



「そ、そうね…;」



「それに、今日帰国したばかりで少々時差ボケも…」



「あ、それじゃあお父さんのレンタカーで仮眠を取ります?私車のキーを預かってましたから」






蘭の提案に京極さんはお言葉に甘えて、鍵を受け取ると、欠伸をしながらその場から離れた。









しかしその後、事件は起こった。
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