Bullet of the promise
□第五八話
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無数セキュリティー持つ私が住むマンション。
時刻はすでに昼の3時になり、バイトが休みのリビングのテーブルでティータイムをとっていた。
「……友梨……――」
『………。』
「星宮友梨奈!!」
『!!はい!』
向かいに座る黒髪を高く結った女性と共に…
「どうしたの?今日、随分ぼーっとしてるね」
『そ、そうかな…?』
「私の目は誤魔化せないよ!
友梨奈の家に行く前におやつを買おうと待ち合わせの時も、いつもは脅かそうとしてもすぐ私のこと気づくのに、今日は何度呼んでも気づかなかったじゃん!」
『ご、ごめん…;』
ぷーっと頬を膨らませる親友にすぐに謝った。
「で?折角海外から帰ってきて久しぶりのお家“デート”だって言うのに…」
『――ッ!!」
「何をぼーっと…して……」
『………///』
「………。」
“デート”という単語に顔が一気に熱くなる。
ああ…茹蛸になりそう…
昴さんに告白され、早2週間。
未だその時のことが恥ずかしく感じる。
そのためか、“デート”や“告白”など、とにかく昴さん関係のことが耳に入ると、顔が一気に熱を持ってしまうことに自分でも少々困る。
もういい歳なくせに…
あまりにも急な変化した私に、小学校からの親友で劉の婚約者である近藤晴香は、カップを持ったまま固まった。
「え…何赤くなってんの?」
『!!いや…別に…』
「その反応で“別に”って言われても納得できるか!」
と、漫画ではちゃぶ台をひっくり返す勢いで突っ込む晴香。
「ゲロるまで帰らないよ!」
『そ、そんな…』
「ほらほら!楽になりたいでしょ?早く吐いちゃって!」
『〜〜〜〜っ///』
まるで刑事の取り調べのような勢いで問う親友に仕方なく、2週間前のことを話した。
「ふ〜ん…時々一緒に食事をする大学院生から告白か〜…」
納得する晴香とソファーのクッションを抱き顔を赤らめる私。
「てか、今まで告白受けたことあるでしょ?何で今更赤くなってんのさ?
そりゃあ、一君以外の今まで告白してきたの男は、皆友梨奈の外見しか見てなかったけど…」
『だって…その…///』
顔の半分をクッションで隠しながらその後のことを話した。