Bullet of the promise

□第五九話
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その後、通報により長野県警の女の刑事さんがやってきた。




部下の刑事さんから被害者の名前と遺体発見の経路を聞きながら、遺体を乗せた救急車を見送っている女の刑事さん。







「あ、そういえばあの風呂場の血、ガイシャの?」



「いえ、あれはこの貸別荘に来ていた少年のものでして…」



「少年?」



「はい、あそこにいる少年です」



「あ、貴方たち!?」






別荘内で蘭に手当てを受けるコナン君を見て刑事さんは驚いた声を上げた。



どうやら、知り合いみたいだ。








「てか、コナン君どうしたの?鼻血?」



「う、うん…いはい見へひっくりしひゃっへ…」



「ハッ、本当は蘭のヌード見て興奮したんじゃないの?」



「もう、まさか…」



「………;(ハハハ…まあ、ぶっちゃけそうなんだけど…)」



『だから止めたじゃない…全然耳を傾けてくれなかったけど』(コソッ)




「仕方ねーだろ…つい体が動いちまったんだから…」



『実はむっつりなんじゃないの?』



「そんなわけねーだろ…」







いやいや、ボウヤ。君女が入っている浴室入るの二度目だからね?

温泉での事件、忘れたと言わさんぞ。




呆れ顔でコナン君とこそこそ会話する。









「殺害方法は恐らく、被害者の頭を鈍器なような物で殴って気絶させ、湯船に沈めて溺死させたようね…


被害者を最後に見たのは?」



「昼食後にお風呂とトイレの掃除をしに行くと彼がリビングを出て行ってからは全く…」



「私が風呂場を覗いた時にはいなかったわ」



「風呂場をのぞいた?」



「ええ…風呂場から湯気が出ていたから、薄谷君がお湯を張っててくれたのかなって…あの子たちと一緒にお風呂場を覗きました」






と、入り口にいる蘭と園子ちゃんを一瞥して言う。


その時、湯加減を見るために湯船の中を見たが、トマトは一個も浮いてなかったそうだ。







「そのあと、園子や澄香さんと一緒に部屋の掃除を終えて、3人で一番風呂に入ろうと思ったら…」



「湯船にいっぱいトマトが投げ込まれているのを澄香さんが見つけて…」



「それでその騒ぎを聞いて僕とコナン君が駆けつけて、湯船に沈んでいた薄谷さんの遺体を引っ張り上げて見つけたってわけさ」








お湯はバスソルトで緑色で水面はトマトで覆われていた上に、浮いてこないように遺体にはダンベルを乗せて沈められていたため、引っ張り上げるまで遺体は見えなかった。






「つまり犯人は遺体を沈めた後さらにトマトで水面を覆いつくして遺体を完全に見えなくしたわけね…」











「ほのほきのぶんばんは?」







……なんて?


コナン君の突然の問いに聞き取りずらかったため、聞き返す。





「おふのにはいっはほきのぶんばんだよ」



「多分君達がお風呂に入ったときの順番を聞いているんだよ。一番最初に入った人がトマトの入った袋を持っていたら、湯船にトマトを浮かべられるだろ?」



「まさかこのガキンチョ、私たちを疑ってんの!?」



「一番最初は澄香さんだったよね?確かお風呂の蓋を開けるためにバスタオル一枚で入ったと思う」



「ええ…でも大体あんなにたくさんのトマトを入れた袋を持ってたら気づくって。

分かった?このマセガキ鼻血ボーイ」



「ハハハ…;」








つまり、蘭たちがお風呂場の湯加減を見てから掃除を終えてお風呂場に入るまでの間に犯行が行われたのは間違いない。



上原刑事と呼ばれていた刑事さんはその間のアリバイを聞いた。





任田さんは歩いて15分くらい掛かる1キロ先の店に買い出しに行っていた。

その帰り道で真純ちゃんとコナン君と鉢合わせて一緒に帰ってきた、と。



真純ちゃんに確認を取ると、買ってすぐに渡された冷たい缶ジュースを飲みながら帰ってきたそうだ。






峰岸さんは昼食の後片付けと夕食の下拵えをしていた。


一人だったのでアリバイはないかと疑うが、キッチンのドア越しでリビングを掃除していた私たちと会話したため、キッチンにはいたと思われる。






その時、河名さんは一人で二階の掃除をしていたことは、掃除機の音と掃除機の角が壁などに当たる音を聞いたので、間違いないと思う。





「そういえば、掃除は4人でしてたみたいだけど、一番風呂に入ったのは3人って言ってたよね?彼女は一緒じゃなかったの?」





と、上原刑事はずっと証言を聞くだけで何も話さない私へ視線を向けてきた。





「あ、はい…友梨奈さんは掃除が終わる前に電話を出るために別れましたが…」



「電話?」



『東京にいる友人からです。その後、戻ったら掃除が終わっていたので、蘭たち一緒に部屋に戻って、一人部屋で荷物の整理をしてました。

彼女たちの次にお湯をいただこうと思っていたから、服などを荷物から出したりして…』



「一緒に入らなかったの?」



『事情があって誰かと入るのを極力避けていまして…』







電話が本当かを確かめてもらうために懐からスマホを取り出し、その時の履歴を見せると上原刑事は部下に確認を取るように指示した。








「それに、友梨姉は蘭君たちと同じで僕が連れ。薄谷さんたちとは初対面だよ」



「そうなの?」



「ええ…薄谷君も別に知り合いって顔してなかったし、私たちも初めてお会いしました」



「となると…犯行が可能なのは澄香さんと蘭ちゃんと園子さんが掃除をしている間、ずっとキッチンに籠っていた珠美さんってことになると思うけど…」



「ま、待ってよ!任田君が買い出しにから帰ってくるまで、私本当にキッチンにいたんだから!」







峰岸さんを疑う上原刑事だったが、彼女に犯行は無理じゃないかと隣の河名さんが言う。






「この子らと掃除したのは風呂場のある一階だけだし、珠美は私が廊下も念入りに掃除するのを知っているから、一階でこっそり人殺しなんてできないんじゃない?それに…」






珠美はそんなことできる子じゃないよ





と、河名さんの最後の一言は峰岸さんを知る誰もが思う事だろう。






では、一体誰が…、と上原刑事に任田さんが奇妙な出来事を含め、赤女の仕業だと発言した。






「で、でも何で薄谷君が赤女の犠牲にならなきゃいけないの?」



「相手は殺人鬼だぞ!頭ぶっ飛んでる奴の考えてることなんて分かんねーよ!」






玄関の鍵は開いていたし、河名さんの掃除の癖なんて知らない。こっそり入ってたまたま見つからずに薄谷さんを殺害したんだろう




と、任田さんは叫ぶが、上原刑事はそれを否定した。








「赤女と呼ばれてた殺人犯、嶽野駒世(たけのこまよ)の死亡はもう確認されているから」









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