Bullet of the promise

□第六三話
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「目暮警部出ました!被害者の机の上からルミノール反応が!」



「やはり犯行現場はここだったか…で、殴った凶器は?」



「いえ、見当たりません。恐らく犯人が持ち去ったんじゃないでしょうか」






その後、犯行現場と思われる澁谷さんが勤める杯戸小学校の職員室前には他の学校教師たちが集まっていた。





「昨夜ですが、澁谷先生以外の先生方は残って居られなかったのですか?」



「はい。あ、でも菅本先生、澁谷先生を送って行くって言ってませんでした?」



「あ、いや…女性の夜の一人歩きは危ないと思って、でもそろそろ帰る頃かと思ってこの職員室を覗いてみたら、もう居られなくて…」



「それ、何時ごろですか?」



「8時半過ぎだと思います。なので警備の人に戸締りを頼んで帰りました」






それまで体育教師の菅本先生は体育用具室で用具の整理をしたいたとか…






「ねえねえ、菅本先生車持ってる?」



「え?ああ、持ってるよ。でも今日はエンジンの調子が悪くて電車で来たけど…―って君はどこのクラスだい?見覚えないけど」



「あ、ああこの子は別の学校の子で…」



『私の息子です。彼女と一緒にドライブしていたらここまでついて来ちゃって』



((((えーーーーっ!?))))






にっこり笑顔でまさかの息子発言に嘘だと知る一同は内心驚愕した。


だってこうでも言っておかないと。

事件現場を「職場見学」するのはおかしいでしょ。






その後、高木刑事により昨夜澁谷先生と会う約束した保護者の男女2人が連れて来られた。


一人だと思っていた目暮警部はそれをみて目を見開いた。







「一体なんなんだ?会社にまで乗り込んできて」



「何だか知らないけれど、夕飯の仕度があるので早くしてくださらない」





突然警察に呼び出され迷惑していた保護者2人、植野昌代さんと神立文幸さん。


彼らに目暮警部は澁谷先生が襲われた事件のことを話すと二人とも驚きの声を上げた。






「兎に角、お二人とも何の用事で渋谷先生と会う約束したのかお聞かせ願いますか?まずは、そちらの女性から」



「私は澁谷先生にちょっと忠告しに来ただけですわ。息子を誘惑しないでくれってね」



「『誘惑?』」



「アメリカ帰りだか何だか知らないけど、あんなに短いスカートで露出の多い服を着ていれば子供が夢中になるのも当然ですわ」



「でも、夏子は割と地味な方なんじゃ…」



「将来澁谷先生と結婚するって言ってるんですのよ!放っておけるわけないじゃないですか!」



「は、はあ…」



「あら、貴女のスカートもかなり短いんじゃありません?」



「私は教師じゃないので…」





元教師ですけどね……





「それで貴女は何時ごろ澁谷先生と会われたんですか?」



「夜の8時過ぎですわ。以後気を付けます、とニヤニヤ笑ってました。それにまあ、10分くらいで帰りましたわ。長い時間息子を一人にさせておけませんから…」










「俺はあのいい加減な先生に文句を言いに来たんだよ」





次に神立さんは少し厳しい声で話した。




「娘の字が汚いからって不正解にしやがって!9時前ぐらいにここに来たけど学校は真っ暗で門も閉まってたから、結局会えず仕舞いだったがな」



「それ、本当に字が汚いせいだったんですか?」



「ああ、不正解だっていう答えは全部正解。本当なら100点満点の花丸なのに60点だとよ!」



「夏子はそんな理不尽なことはしないと思うけど…」



「じゃあ見せてやろうか、娘の答案用紙を!そのうえ、妙な探偵まで雇いやがって…」



「妙な探偵?」



「あの先生の家に直接怒鳴り込んでやろうと思って跡をつけたら、いきなり胸倉をつかまれたんだよ!」






神立さんが荒く言うと…






「仕方ありませんよ」





と、聞き覚えのある声が聞こえ、ある人物が職員室に入ってきた。







「僕は彼女からストーカー被害の依頼を受けていたんですから」



「――ッ!!?」




『!!?(バーボン……!)』






彼の登場にコナン君も私達FBIも驚愕する。








「遅くなって申し訳ありません、警部さん」



「呼んだのかね?」



「それが、彼女の携帯の通話履歴に彼の番号もあったので…」



「で、そちらの2人は英語の先生か何かで?友梨奈さんもどうして一緒に?」



「あ、いえそちらはFBIの方たちで訳あって捜査協力を…」



「ホォー、FBIですか?アメリカ合衆国連邦捜査局ってやつですね。よく映画やテレビドラマでお見掛けしますよ。手柄欲しさに事件現場に出ばって来てどや顔で捜査を引っ掻き回し地元警察に煙たがられて、視聴者をイラつかせる捜査官」



「何!?」







聞き捨てならない発言にキャメルさんが喧嘩を買おうとしたら、安室さんは両手を広げて落ち着かせようとした。








「あ、別に貴方がたのことを言ってるわけじゃないですよ。僕が観たのがたまたま…」



「…――ッ…(こいつらが…こいつらが赤井さんを…!)」







キャメルさんから怒りのオーラと殺気感じる。

横目で見て見ると、拳を強く握りしめ、安室さんを睨んでいた。







落ち着いて…







ピトッ






「――ッ!」






と、思ってキャメルさんの首に指を当てた。

触れられたことに驚いたのか、キャメルさんがこちらに顔を向けているのが見なくても分かる。



脈からして、大分落ち着いたようだ。





その反対に握りしめた拳にジョディさんの手が重ねていた。







「キャメル、落ち着いて。友梨奈も抑えているのよ。彼が組織の一員だとFBIが察しているのを彼に気づかれたくないでしょ」(ヒソッ)



「は、はい…すみません、星宮さん」(ヒソッ)






キャメルさんが落ち着いたのを確認したら彼の首から手を離した。
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