Bullet of the promise
□第六七話
1ページ/5ページ
翌日。
赤井に呼ばれたジョディたちは工藤邸に来た。
インターフォンを鳴らした彼らを迎えたのは、日本を代表する元女優工藤有希子であった。
「友梨奈は?」
リビングへ通されるとき、丁度2階から降りて来た赤井にジョディは問う。
「まだ寝ている」
「大丈夫なんですか?」
「熱は大分下がったから心配ない」
「さ、じゃあ赤井君。始めましょうか!」
ジョディたちと話している赤井に有希子は切り出した。
数十分後。
赤井と有希子とコナンが入った風呂場から有希子の明るい声が聞こえた。
「あら〜!完璧!ちゃんと変装できてるじゃない!」
「恐縮です」
「これで私が毎週通ってチェックしなくても大丈夫ね!」
「お世話になりました」
「まあ、私的には会いにくる口実がなくなって、ちょっと残念だけど…」
(おい…;)
頬に手を当てそう言った母にコナン(新一)は内心突っ込んだ。
リビングで待つジョディたちのもとへ行くと、彼らは沖矢昴となった赤井の顔を見て驚愕の顔を見せた。
「しゅ、シュウ?」
「本当に赤井さんですか?」
「ああ、声は元のままだろ?」
「でも、それ以外はまるで別人ね」
「だが、この首に付けたチョーカー型変声機を使えば…」
赤井は首の変声機のボタンを押した
「沖矢昴になれる」
「「!!」」
「こ、声が変わった…」
「全ては変声機を作ってくれた阿笠博士と、この家の家主工藤優作氏の妻である有希子さんの変装術と…
そして、この策を授けてくれたボウヤ…江戸川コナン君のおかげだよ」
「でも、シュウとどういう関係なんですか?」
「ああ、実は…」
「僕の遠い親戚なんだ!」
返答に困る有希子にコナンが代わりに答えた。
「赤井さんは目立たないアパートに住むって言ってたんだけど、偶然そのアパートが火事になっちゃって…
だから、今は誰も住んでない有希子おばさ…」
「……(ギロッ)」
「お、お姉さんの家に住めばって言ったんだ」
隣からの鋭い視線にコナンは一部修正しながらジョディたちに説明した。
「でも、息子さんの工藤新一君、帰って来て知らない男が住んでたら驚かれるんじゃ…」
「まあ、息子には事情を話してありますし、時々家事をしに来る友梨奈ちゃんも
いますから…
ね、新…コナン君!」
「うん!」
少々怪しい2人に赤井は確証を得たかのように小さく笑いながら変声機のボタンを押した。
「それより有希子さん、大丈夫ですか?そろそろ帰りの飛行機の時間ですが…」
「え?わっ!もうこんな時間!
あ、じゃあ最後にちょっと友梨奈ちゃんに挨拶してくるわ!」
そう言って急いでリビングを出て、友梨奈のいる寝室へ向かった。