Bullet of the promise
□第六七話
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工藤邸に呼んだタクシーに乗った有希子を見送った赤井たちは再びリビングへ向かっていた。
「しかし、驚きました。まさかジェームズさんもこのことを知っていたんなんて」
「俺も話すつもりはなかったんだが…」
遡る事、あれは赤井が水無怜奈から電話が来た時だ。
「電話の相手は水無怜奈かね?」
「はい。これから二人きりで会わないかと言われました」
「兎に角、星宮君たちを呼んでこちらとしての対応を…」
パシッ…
「ど、どうしたんだね!?その指…」
「実は…」
「指先のコーティングに気づかれてしまったんでね…」
「だったら、何で私たちにも話してくれなかったの?」
「前にも話しただろ?敵を騙すにはまず見方から…
現に奴らはお前たちに探りを入れて来たじゃないか…
生きていることを話していたら、その時にバレていたよ」
「そ、そうかもしれないけど…でも…!」
「まあ、あの男だけにはこちらの事情を察してもらうために、少々危険な賭けをさせてもらったがな」
後々の事を考え安室を敵に回したくないと考えた赤井は、ベルツリー急行の時、車内で変装を一時時、煙越して彼と対面していた。
「あの男ってバーボン…安室透ですか?」
「ああ…あの男なら一人で会いに来ると踏んでいたんだが…まさか、ボウヤの予想通り本当の仲間を連れて乗り込んでくるとは…」
そのうえ、赤井が抵抗しないようFBIの中で最も近い存在である友梨奈を捕らえる事までしてきた。
「俺に対する奴の恨みは、思った以上に根深いようだ…」
赤井の脳裏にはその原因となった記憶の一部が浮かんだ。
「その恨みってもしかして…あの時シュウがバーボンとの電話で言ってた…」
ピーンポーンッ…
昨夜の事を思い出しながら言うジョディの言葉を家中に響きわたるインターフォンが遮った。
来客の予定はなく、訪問の人物が誰かと首を傾げるコナンたち。
コナンが代表をして、玄関を開けると…
「お、オメーら!?」
「あー!!コナン君!!」
「何でお前がここにいるんだよ?」
「あ、いや、ちょっとな…――ってかオメーらこそ何で?」
「昴さんに謎を解いてもらう為に来たんです!」
「謎?」
突然の来客に気になるのか、ジョディたちもリビングからやって来た。
「コナン君。立ち話もなんだから、中に入ってもらおうか」
「「え…」」
沖矢昴の声に戻し、子供達を中へ入れる赤井。
そんな彼に2人の捜査官は意外と思ったのか驚愕の顔を見せた。
「そ、そだね…」
「やったーー!!」
「お邪魔しまーす!!」
「この前のカレーまだ残ってるか?」
「ええ、多少は…」
「「え!?」」
「やったー!!」
さらに意外な事に目を点にする捜査官2人。
「シュウって料理できたっけ?」
「有希子さんや友梨奈に教わったんだ。食費も安く上がるし、いい気分転換にもなる」
「そう…;」
なんだかんだで、沖矢昴の生活を楽しんでいるであろう、赤井秀一でした。