Bullet of the promise

□第七十話
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――「Rが動き出す」――










R…私とクレアさんが追う組織の一員。


逃がすわけには……









フッ…






『――ひゃっ!』







耳元に息吹かれ思考から現実に戻る。




変な声が出た口を両手で塞ぎながら後ろで楽しそうな顔をする彼を睨む。





そういえば、今工藤邸に来ていたんだった。








『……何するんですか?』




「随分考えていらしたので、つい悪戯を…」







ホントに何するんですか。







「それで?何を考えていたのですか?」




『……ちょっと、彼らのことについて…』



「…彼らがどうしたのだ?」



『口調戻ってますよ。』






まあいいや。
声も姿もそのままだし。






『実は…』







ピンポーンッ…





私の話を遮ってインターフォンが鳴り響く。




あれ?今日は蘭も有希子さんも来る予定じゃないはず…


新一かな?






不思議に思い顔を見合わせると、昴さんが代表して玄関へ向かった。








「はい?……ああ、君か…どうしましたか?」





「用があるのはあなたじゃない。友梨奈さん来てるんでしょ?」









おや?この声…







『哀ちゃん?』







ひょこっとリビングから顔を出すと、玄関先で仁王立ちする哀ちゃんがいた。







「友梨奈さん、すぐに出る準備して!」



『えっと…どちらへ?』




「毛利探偵事務所に依頼に行くのよ!」




『はい…?』







すみません、お姉さん状況が全く掴めません。


何故哀ちゃんが毛利探偵事務所に依頼しに行くのか。

何を依頼するのか。


どうしてこうなったのか。





訊きたい事色々ありますが…



とりあえず…







『えっと…小五郎さんに何を依頼するの?』







お姉さんに状況を把握させる時間をください。





私の問いに哀ちゃんはずんずんと中に入り、スマホを向けた。








『“比護隆佑×沖野ヨーコ熱愛発覚!”…』




「これの素行調査を依頼するのよ!比護さんがこんなアイドル女なんかと付き合うわけないわ!」








少々涙目で言う哀ちゃん。




あ…彼のファンなのね…。


まあ、相手が沖野ヨーコなら、もう小五郎さんも多分調べているだろうね…。



ゴシップニュースだからガセネタの可能性もあるだろう。

行ってみるか。





昴さんに一言言って、バックを持って工藤邸を出た。
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