未来へ

□第六話
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時は過ぎて…――放課後。
今日はジョーカー初任務の日。


聖夜学園の裏庭に空海とあむ、そしてあいが集まっていた。




「さーてと…今日からジョーカーの初任務だな。オレが教育係りだ。ビシビシいくから覚悟しろよ?」





ガーディアン代表として、最年長の空海が仕切る。




「さーてまずはァ…」



「あ…待ってそのまえに…」





やる気満々な空海による初任務研修を始めようとしたとき、そばにいたなでしこがそれを遮った。




「はい、あむちゃん」



「なに…コレ…?」



「あけてみて」






なでしこがあむに渡したのは左右に羽根が
ついた大きなたまご。
言われた通りにたまごを開けてみたら…




『!!』


「わっ…きれい…錠?」


「これはね、初代Kが残したものなの」


「透明なクリスタルが四つ…」




中央にクリスタルの四葉が特徴の錠が出てきた。




「あっ、鍵穴。ってことは鍵もあるの?」



「さぁ…それはわからないわ。わたしたちはただこの錠を受けついできただけ…」






“三つのしゅごたまを持つジョーカーがいつかあらわれたとき、これを託せ”





「――という初代Kのことばとともにね。あむちゃん、この錠はあなたのものよ」





美しい錠、ハンプティロックに、あいはスカートのポケットに触れるが、それに気づいたものは誰もいない。

なでしこが持っているチェーンを錠に通し、あむに大切にするよう言って首にかけた。





「日奈森!」


「わっ」





物思いにふけっていた二人を空海が呼ぶ。






「ぼさっとしてんな、はじめるぞ!」



「あっ、待って!」


「日奈森(妹)も何してる!オマエもだ!」


『え…あ、はい…』


「いってらっしゃーい」





空海、あむ、そしてあいたち3人は早速特訓開始として走り出した。
そんな彼らをなでしこは笑顔で見送るのだった。






『(なぜ私まで…?)』






一人疑問を抱くあいの問いなど誰にも気づかれることなく…
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