ヒロインの(非公式)妹はモブ兼、隠れサポーターを目指します

□非公式妹、目覚める
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『え…誰?』





朝起きて鏡を見るといつも通り平凡な顔…――ではなく、美少女が映っていた。



ぱっちりとした目にウェーブがかった長い茶髪…
肌も透き通るような真っ白。
瞳には陽の光を浴びて鮮やかな緑が輝いていた。



え…誰?
この美少女は…と、少女は思った。この言葉は2度目である。

鏡へ近づくと中の少女もこちらへ近づく。
片手を上げると少女も片手をあげ、頬を触ると少女も己の頬を触る。


え…これ、私?
いやいや、夢でしょう…。
思いっきり頬をつねってみた。




『……いたい…』




痛みは本物だ。何てことだ、顔を思いっきりつねったことで、折角の美肌が赤くなってしまった。
こんなことなら、手加減すべきだったな。

どうしてこうなったのか…
その原因は、たった今見た夢なのだと、すぐに理解した。

帰ってハマっているゲームやアニメの続きをしなくては…そう思って帰宅している途中、後ろからぐっさりと刺された。
朦朧とする意識の中で、通り魔に刺されたんだ…と他人事のように思いながら夢は終わった。


あれは、前世の記憶。
そして今、自分は別の人生を歩んでいるのだ。
ふと、鏡に映る己の背景に目がいったので、振り向いて後ろを始めとする今自分がいる場所を見渡す。


ふかふかのカーペットに豪華なシャンデリア
大きな暖炉やベッド、窓、ベランダ…広々とした部屋。
初めて見るはずなのに、自分の部屋だと認識できた。

寝巻にしている服も前の人生には縁遠いほど肌触りもよく、上質なもの。どこかのお嬢様?


名前は確か…






「シルヴィア様、失礼致します」




扉の外で声をかけられた。
自然に「どうぞ」と言葉が出のだが、鈴が転がるような声…前世と全く違う声に驚いていると、扉は開かれ黒髪のメイドさんが入ってきた。
凄い、本物のメイドさんだ。
それもクール美人系の…



「シルヴィア様、どうかされましたか?」



本物のメイドさんに見惚れていると
彼女…リリアは焦りを含んだ声で駆け寄ってきる。





「喉が痛いのですか?すぐに侍医を…」



あ…声の変化に驚いて思わず喉を抑えていたから勘違いされてしまった…




『いえ、必要ありません。大丈夫です』


「そうですか…では、お着替えを致しましょう」




ちらりと扉へ視線を向けると、もう一人のメイドさんがこちらに近づいてきたことで身支度が始まった。




そうだ…今の私の名は、シルヴィア・ロイヤル・アイビー…


あれ?このファミリーネーム、どこかで…


どこでだ…と思考を巡らせている間に着替えも髪のセットも終え、朝食へ向かうことになった。
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