ヒロインの(非公式)妹はモブ兼、隠れサポーターを目指します

□非公式妹、整理する
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自室へ戻った私は早速、机の上にペンとノートを出した。

正直、朝食の時の記憶があまりない。
この世界の事を考えていたせいではなく、天使と聖母にはさまれてたせいである。
顔が良いにもほどがある。どういうことよ、制作会社。キャラデザが良すぎるのよ!


この国の最高権力者である母へ報告も含めて会いに来る我が父もこれまたイケメンでさ…こんな美男美女の両親を持てば、公式・非公式問わず、そりゃあこんな整った顔立ちになるはずだわ…感謝しなくては。



さて…ちょっと、整理してみましょう。



まずは、自分について。

名は、シルヴィア・ロイヤル・アイビー。綴りは…あっているはず。
「キミヒカ」のヒロイン、ティアラの双子の妹だ。

だから、歳は…今度6歳になるのね。若いわ…



髪の色は母親より少し薄めのぼんやりとした金髪…光の当たり具合ではちゃんと金色になるから…面白いな。
髪質は母親似のようだ。ふわふわのお菓子のようなティアラと違って、どちらかというとプライドの方に雰囲気とか近いかも…目元のせいかな?



まあ、彼女に似ていても特には嫌と思わない。極悪非道なラスボスだから、性格はともかく顔は良いからだ。
純粋な笑った顔がみたいな…絶対推せる。


しかし、表情豊かなプライドやティアラと違って、シルヴィアはあまり表情が変わらないらしい。
笑っているつもりでも、他人が認識出来るほどはっきり出ない。表情筋どうした?ま、前世の私もそうだったみたいだけど。誰かに言われた気がする。



頭は…悪くないようで、助かった。
王族教育で使っているであろうノートで確認済み。

因みに、文字の読み書きも、もちろん心配ない。知らない文字のはずなのに、すらすら読めるし書くこともできる。ありがたい。


年齢的に護身術や剣術の授業は受けていないみたい。グー…パー…グー…と豆のない子ども特有の小さく柔らかい手を確認する。

うーん…手も足も小さいな…。
というか、王女って護身術とか必要だっけ?
プライドは…何か戦えてたな。

シルヴィアの事で分かっていることは以上。




次にこの世界のこと。


例外といえば、私の存在だ。まず、ゲームのなかで“シルヴィア”はおらず、ティアラに双子もいない。
存在するはずのないティアラ・ロイヤル・アイビーの片割れ。

何故、こんなことが起きたのか…謎だ。


勿論、嫌なわけではない。折角いただいた命だ。ゲームで存在しないキャラでも、命を無駄にするようなことはしたくない。



それ以外はゲームと同じ。
この国、フリージア王国は世界で唯一、特殊能力者が存在する。大国であり不思議な国。実際、我が母は予知能力者であるからこそ、この国の現女王である。

そして、予知能力を得た人間を“次なる王の哲示”として次の王位を継がせることがならわし。


ゲームに出てくる歴史も風景も…全てそのまま私の目に映る。変わったところはなさそうだ。





後は、今後のことについてだ。
まあ、非公式キャラなんだから、モブでいいんじゃないか?
欲をいえば、時々キャラ達を見かけたらその辺の壁と同化して見守りたい。


あ、でも…王女である以上、身の危険は回避しないと。
プライドが断罪されるのは10年後。ティアラはともかく、私はどうなるのか分からない。
隣国へ嫁ぐ?冗談じゃない。
王女剥奪されても生きられるようにしよう。


それと、他のキャラたちの状況を見なくては…



王配であるお父様が長女プライドが予知能力を開花させたとお母様に話していたのは前世の記憶を思い出す前。

…となると、既にゲームで時々出てくる過去ストーリーは始まっている。

プライド・ロイヤル・アイビーは、次期女王の第一継承者となる。王位継承者には代々補佐としての国民から年下の男性を王族の養子に迎え入れることが義務付けられているから…

プライドの義弟、ステイル・ロイヤル・アイビーがすでに登場しているはずだ。



…折角「キミヒカ」の世界にいるのならば、彼がつらい人生にならないようにしたかったが…思い出すのが遅かった。

いや…過ぎた事を悔やんでも仕方がない。それに、今の私はまだ5歳だ。なんの力も持たない、ただの子ども。
これからの事を考えて、今できることをしよう。

ステイルの名前の横を空白のまま次のページをめくった。
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