ヒロインの(非公式)妹はモブ兼、隠れサポーターを目指します

□非公式妹、最推しに会う
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『うーん…』



私、シルヴィアは、机に乗る“秘ノート”を広げながら、唸る。

昨日、「キミヒカ」の攻略対象、アーサー・ベレスフォードと出会ったことで、項目にアーサーの欄ができた。


〇アーサー・ベレスフォード
誕生日:8月27日
好きな食べ物:ミートパイ
家族構成:父、母。兄弟いない
年齢:私、ティアラの4つ上。

特殊能力:――…



ステイル同様、今思い出せるだけの彼の公式プロフィールを書き出す。
誰かに読まれたら、ストーカーと思われてしまうから絶対に見せられない…このノートは墓場まで持って行かなくては。




あの時は、外見が違うことで名前を聞かなかったら気づかなかったが…


当然だ。
ゲームでの彼は、自身を殺し、「ロデリック・ベレスフォード」に演じきっていた。
あの事件の際、崩落が起きる前にプライドに笑って言われたこと…



“お気の毒に。”



その言葉の真意を確かめるために。
髪は短く刈り上げ、身体を鍛え、言葉遣いの丁寧な正統派騎士となった。

長い髪も乱暴口調も捨てた。

ティアラと出会って、次第に自分という一人の人間を愛せるようになっていくのが、ゲームでの「アーサー騎士団長」だった。

しかし、今回のことでアーサーは自分の意志で騎士になると決意した。
父の復讐でなく、護るために…プライドの傍にいると…



いいぞ…いい結果だよ!




「一生……!貴方を護らせてください!」




最高な場面をよくぞ見逃さなかった!私偉い!
ゲームでティアラがピンチの時やプライドを倒す時に、わりと乱暴口調になってた…そのギャップも相まってシリーズを跨いで彼のファンは多かった。

何を隠そうと、私もその1人。
アーサー・ベレスフォードは私の最推しなのだ。
何故“最”がつくのかと言うと、理由は簡単だ。
私はこのゲーム内の全キャラクターが推しにあたる。その中でアーサーはトップに君臨する推しなのだ。


普段丁寧口調の人が、余裕なくして乱暴口調になる。このギャップが良いんだよ!ドキドキしちゃう!
分かる?分からなくても理解して!

ステイルの時もそうだが、「ゲーム内のキャラと違うから嫌」なんてことは絶対にない。
どんなキャラでも、見守る。それが推しへの最大の愛だ。

アーサー…ゲーム通り、ティアラとの結ばれるもいいが…お姉様との発展も期待したい。
「騎士×第一王女」は定番であり間違いない組み合わせ。

アーサー×プライド、略して「アサプラ」。
まさに美味しい展開!それだけでも飯うまだよ!

でも、せっかくこの国の法律で、王族同士の結婚を認められているのだから…
ステイル×プライド、略して「ステプラ」も捨てがたい…
ああ、でもでも…だからこそお兄様もゲーム通りの「×ティアラ」もいいな…


君はどっち派?



いやいや…脳内CP(カップリング)はいつでもできるでしょ。今は違う方を考えないと。
お楽しみは後に取っておこう。


すぐ隣のページにあるステイル項目と見比べる。
もちろん、こちらにも前世の記憶を引きずり出した、ステイルの公式プロフィールと関わってきた中での私の見解が記されている。

さらに下には、ゲームでも起きた出来事と矢印の先に、お姉様の言動によって変わった結果の記録。


やはり、イベントが起きてもプライドの行動次第で未来が変わるのだ。
しかし、言い換えれば…ゲームイベントは必ず起きるということ。

ステイルとアーサーが味方についたことは確実だが、まだ油断できない。
お姉様の予知するタイミングはまちまち…
もしかしたら、最悪、予知した時にはすでに手遅れになる場合も考えられる。

どこで破滅フラグが立つか分からない。

お姉様の予知が発動する前に行動できるよう、前世の記憶をできるだけ早く引っ張り出すんだ。
情報も、一つの武器だ。
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