ヒロインの(非公式)妹はモブ兼、隠れサポーターを目指します

□非公式妹、助けを求める
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緊急事態発生!!
こちら、第三王女、シルヴィア!!

至急、応援を頼む!



演習場から戻る馬車の中で、私は宛てもない救助を求めた。

現状を簡潔に申せば…








最推しが同じ馬車に乗っている








しかも目の前に座って……え?何でこうなった?




遡ること数分前。

顔を赤らめながらのお姉様に背中を押されて、馬車へ到着。
さて、乗るか…と思った時、太陽の光に輝く銀髪が目に入った。



はい?



思わず動きを止めて、その方向へブリキおもちゃのように顔を動かすと…最推しがいた。

はい、もう分からない!なんでそうなった?


よほど私が最も推しキャラ(略して最推し)ことアーサーを見ていたようで…不思議そうな顔をしたティアラとお姉様が彼がこの場にいる経緯を説明した。


これから本宅でお兄様の稽古に付き合う、と。


あんれええぇぇ?私もあの場にいたはずなのに、そんな話あったっけ?
「姉君の用事が済み次第、僕らと一緒に馬車へ向かうと言っただろう」と話すお兄様の様子から、現実から離れていた時に話がまとまっていたようだ。



「シルヴィアがぼんやりしているなんて珍しいね」


と、クスクス笑うお姉様とティアラ。
ステキな笑顔だが、笑いごとではない。

最推しが…来る。
どこに?家に。

いつ?今から

どうやって?同じ馬車に乗って





“同じ”馬車に乗って!!


つまり、狭い同じ空間にいるということ!?
ムリだ。ただでさえ、行きは推しキャラたちに囲まれて背景と一体化しようと努めていたのに…それに最推しが加わると言うのか!?

決して、嫌な訳ではない。決して!!

昇天することが目に見えていた私だが、ある事に気付いた。
それはもう、神が降ってきたような名案だった。






『この馬車では、少々定員オーバーだと思います』




そう。人数が増える予定はなかったので、4人乗りの馬車で演習場に来た。
同じ馬車に乗って帰るには、一人多い。誰かが馬に乗らなければならない。


つまり…!






『なので、私が衛兵と一緒に馬に乗ります』




アーサー(最推し)姉兄(推し)たちを馬車の外へ出すわけにはいかない。

馬車の隣を歩く馬に乗れば、心の準備ができるうえに、推しキャラたちの様子が見れる。
一石二鳥だ。

世間的にも馬車に乗るのは、絶対は第一王女のお姉様。次に第一王子のお兄様。お客様のアーサー。そして、順位的に第二王女のティアラとなる。

第三王女でモブの私には馬が一番。
乗れるから問題ない。我ながらカンペキだ!
賢いお兄様ならば同意してくれるだろう。
期待を込めて返事を待つと、お兄様はにこっと笑って…





「ダメだ」




と、一蹴された。
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