HQ夢小説 宮治

□一話.
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どうもこんにちは。八戸 愛菜です。

ここ稲荷崎高校の1年生に進学した普通の女子高生。




が、頭に“寂しい”が付く女子高生です。






高校に入学して約3ヶ月。
未だ友達の数に指が一本も立っとらんとです。つまり0。





両親の仕事が海外へ行くことが決まったんは、中学3年の秋。
日本人でさえ初対面の人と話が出来ん私が、いきなり言語が違う人がいる学校に行くなんて無理。
どうしても日本に残りたいと駄々こねた私に、両親が出した条件。


それは、兵庫にいるおばあちゃん家にいる事。

というわけで、友人たちと15年間生まれ育った九州ば泣く泣く離れ、一人高校から兵庫へ引っ越してきたのだ。



兵庫県民になって3ヶ月。
この人見知りがあるおかげで、未だ一緒にお弁当を食べてくれる友達はおらん。


ああ…辛か。
皆良か人かもしれんけど、田舎もんの私から話かけるんはちょっと難易度が高すぎるとよ。






「あ、八戸さん。消しゴム落ちよったよ」



『あ、ありがとうございます』


「おん」





ああ…ごめんなさい。
折角消しゴム拾ってくれたとに…
もっとここから話ば盛り上げとったら、ちょっとは友達1号の道に一歩踏み出せとったのに…これだからコミ障は…

両手で顔を覆いながら心ん中でクラスメイトへ謝罪をする。



…本、読んどこ。


心を落ち着かせるために持参の本を開く。






「角名。」





と、落ち着いた声が角名君を呼ぶ。
目線は本に耳は隣へ意識を向ける。





「なに、治?」



「数Uの教科書貸して」



「?いいけど、珍しいな。いつもは侑に借りるのに」





へえ…治君って人、宮君と仲良かとか…。他のクラスとも仲良かって、すごいな。
あ、そういえば、角名くんとも仲良かったな…。






「まあ…。そのツムが教室におらんからな。次数学やけん待てんわ」


「ああ…」






って、いやいや。私はなんばしとると。
人様ん会話を盗み聞きばしとるなんて、趣味ん悪か。
いかんいかん。お耳ばコッチに連れ戻さなん。


……今日の晩御飯、何しよ。





完全に晩御飯のメニューば考えとった私は、自分に向けられた視線に気づくことなんてなかった。
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