★×跡部景吾★

□Promise
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跡部と忍足は恋人同士。
登下校も、休み時間も、昼休みも、部活中も、ラブラブしている。
否、していた。

□■Promise□■

「侑士、遅れて…」

放課後、生徒会の仕事が終わるまで跡部を待っていた忍足のもとに行くと、忍足は教室にいた。
一人ではなかった。
誰だろうか、見たことのない女生徒といる。
忍足は優しく微笑み、その女生徒を見ていた。
そして。

「─────っ」

キス、していた。
あろうことか、恋人である跡部の目の前で、見たことのない女生徒と、キスしている。

「…………ぁ……ぁ…」

跡部は堪らなくなって踵を返し、駆け出した。
涙が、ぼろぼろ流れて頬を濡らした。
周りは何も見えていなかった。
ただ逃げるように、その場から早く離れたいとでもいうように、走って、走って走って走った。


「…?」

「あ、あの、忍足くん?どうしたの…?」

「あ…いや、何でもあらへん…。じゃあ俺帰るわ」

「え?あ、…うん。バイバイ……あの、……今日は、有難う…」

女生徒はそれだけ言って下駄箱の方へ行った。
忍足は廊下に出て周りを見渡し、誰もいないことに疑問と安堵を覚えた。
携帯を見てみると、跡部からの連絡はない。
もう時刻は七時をまわり、冬ということもあって外は真っ暗だった。
忍足はゆっくり玄関へと向かった。
廊下に自分の足音だけが淋しく響く。
その後、何度跡部に電話しても繋がらず、八時まで寒い中待ち続けた。
しかし跡部が来ることはなかった。



翌日。

廊下で跡部を見た忍足は、いつものように挨拶しようとした。

「景ちゃん、お早よ…」

「…………」

跡部はそれを無視してさっさと教室に入ってしまう。
おかしいと思った忍足は、教室に入って跡部に声をかける。

「景ちゃん?どないしたん?気分でも…」

必死に話し掛ける忍足に構わず、跡部は席をたち教室を出て歩いていく。
普段より足早に、まるで忍足から逃げるように。
忍足は小走りでその後を追う。

「ちょっ…景ちゃん!」
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