★×芥川慈郎★
□信じるために
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□■信じるために□■
「やあ―――――っ!!」
「うるせぇ」
「やだあっ!!やめて!!はなしてよぉ!!」
ジローは精一杯叫んだ。
手を拘束されているため叫ぶことしか出来ない。
無意味なことと知りつつジローは叫び続けた。
そんなジローの腹を跡部は思い切り殴った。
「かっ…は…っ」
跡部は抵抗が弱まったジローの髪を掴み引きずった。
「いやああっ!!痛いっ!!痛いいっ!!」
「うるせぇ」
跡部はジローの後頭部を踏み付けた。
「ひっ…ぐ、痛い…」
跡部は片足でジローを蹴って仰向けにすると、この部屋の唯一の光源である蝋燭の1本を掴んだ。
跡部は両膝でジローを押さえ、片手で器用にジローのシャツのボタンを外した。そして露になった白い肌をゆっくり撫でる。
「ジロー、覚悟しろよ。」
跡部は口元を歪め冷たく笑い、蝋燭を傾けた。熱いロウがジローの肌に垂れる。
「いやああああああっ!!熱いっ!熱いいいっ!!」
ジローは狂ったように叫んだ。跡部は激しく暴れるジローの頭を押さえ付けると首筋にもロウを垂らした。
「熱いいっ!!…息が…苦しい…っ!!」
「黙れ。次がラストだから我慢しろ」
そう言うと跡部は火が点いている蝋燭をジローの顔に近づけて聞いた。
「どこがいいか選ばせてやる。選べ。額か?頬か?瞼でもいいぜ?」
「あ…え、…選べない…」
「選べっつってんだろ」
「っ………」
ジローはびくりと体を震わせた。
「選ばねぇなら目に入れてやる」
「!やっ!目はっ、目だけはやめて!!」
「ならさっさと選べ」
「…ほ、ほっぺた…」
ジローは泣きながら言う。
「右か?左か?」
「…み、右…」
「よし判った」
ジローは恐らく一番痛くないところを選んだ。
跡部は右頬にロウをぼたぼたと垂らした。
「ゔあ゙あああああああああ!!!!!」
ジローは泣き叫び、意識を手放した…。