★×跡部景吾★
□貴方のすべてを
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『やだ…誰か、誰か…助けて…!!』
『鍵掛けてあるんだ、誰も来ねぇよ』
『逃げられねぇんだから、早くヤられちまえよ』
『や…誰か………いやぁああああ――――!!!!』
□■貴方のすべてを□■
「跡部…俺、跡部のこと、好きなんや。…いきなりこんなこと言われても…気持ち悪いだけやと思う…せやけど…」
嬉しかった。
あれから…ずっと人との距離を取るように、周りに高圧的な態度を取ってきて、きっとみんなに嫌われているだろうと…思っていたから…。
だから俺のことをちゃんと見てくれて…好きなんて言ってくれる奴がまだいたなんて…。
俺はその時はただ頷くことしか出来なかった。
ただ…忍足は満足そうに笑ってくれた。
それから暫く経って…初めて忍足とキスした。
嬉しかった。
だけど…怖かった。
脚ががたがた震えて、過呼吸になりそうなほど息をしていた。
それから1週間して、忍足のマンションに行って、ベッドでキスしていた。
そのまま服に手をかけられた時…思わず忍足を突き飛ばしていた。
「ぁ………ごめ…………俺……、帰る…!!」
そして俺は逃げるように走って帰った。
その日は一晩中ベッドで泣いていた。
一睡も出来なかった。
怖くて、怖くて、怖くて、怖くて。
忍足が何を求めているのかは判っている。
だけど…だけど、どうしても…怖い…。