★×跡部景吾★
□照れ隠し
1ページ/5ページ
□■照れ隠し□■
コイツの言うことはいつも唐突だ。
いきなり何の脈絡もなく、今日もこんなことを言ってきた。
「なぁなぁ景ちゃん、俺のこと好き?」
「あぁん?何言ってんだ。寝言は寝てから言うもんだぜ。それに何で俺様がお前なんかが好きなんだよ」
こういう時はさらっと流すのが一番だ。
まともに返事すると付け上がるから。
「……嫌いなん?いっつもあないに気持ちよさそうによがっとるんに」
「…っ////ふざけんな!お前なんかで俺様が満足してるとでも思ったのかよ」
何なんだ、コイツは。
自惚れんのも大概にしろ。
「…判った。ならもうええわ。じゃあな、跡部。結構楽しかったで」
「……え………?」
忍足はさっさと出ていってしまった。
何なんだよ?
こんなの、いつものことだろ?
大体いきなり意味不明な質問してきたのはそっちじゃねぇか。
逆ギレしてんじゃねぇよ。
あーもう意味判んねぇ。
何なんだよ………。
その日を境に、アイツからの連絡はなくなった。
メールも、電話も、今までは毎日たくさんしていたのに。
学校でも、明らかに俺わ避けて。
部活中も、俺には近づかなくなった。
何なんだよ……。