★×宍戸亮★
□仕掛人
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「も…無理…っ、はぁっ、長太郎…っ、んっ」
「だめですよ。これはお仕置きなんですから」
□■仕掛人□■
事の発端は昼休み。
今日は天気がよく、冬なのに陽があたると暖かいくらいだった。
俺はいつも宍戸さん達と一緒に昼食を摂る。
今日も例外ではなかった。
ただ、今日は天気がいいから屋上で食べるということになった。
俺は昼休みが待ち遠しかった。
ところが今日に限って4限目が授業が長く判りにくいと評判の教師による化学だった。
大方の予想通り4限目は長引き、授業が終わったのは昼休みが始まって10分経ってからだった。
俺は急いで屋上に向かって走った。
屋上のドアを開けた時。
宍戸さんがジロー先輩とキスしていた。
「おいお前ら…ι」
「アハハ、ジロー、いきなりキスかよ」
「って、宍戸…!」
1番早く俺に気付いたのは忍足先輩だった。
ジロー先輩は宍戸先輩を押し倒してキスしていたが、俺に気付くと身体を起こした。
「鳳、遅かったなぁ」
忍足先輩が気まずくなったその場を宥めるように言った。
「あ、4限目が化学で長引いちゃって…」
「あー、三宅だろ?アイツ話長いよな」
「岳人はいつも寝とるから関係ないやろ」
「侑士ひどっ!」
その場はうまく収まったかのように見えた。
ジロー先輩は悪びれもなく普通に会話してパンを噛っていたが、宍戸さんは終始無言だった。
そして…。
「あ」
「ん?」
予鈴が鳴った。
これが鳴った5分後に5限目が始まる。
「いけね、俺今日数学当たってんだよ!侑士、ノート貸して!」
「なんや自分、何回目やと思っとるん?」
「あ、忍足俺にも英語貸して〜」
「ってジローもかい!!」
忍足先輩、向日先輩、ジロー先輩はさっさと教室に帰った。
屋上には俺と宍戸さんだけがいる。
「じゃ…俺も行くから」
宍戸さんが身体を起こした時、俺は逆に宍戸さんを押し倒していた。
「長太郎…?」
「宍戸さん…お仕置きですよ?」
俺は宍戸さんの腹を殴っていた。