★×忍足侑士★

□君が欲しい
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□■君が欲しい□■


今日からここ、氷帝学園中等部に通うことになった、忍足侑士。
着慣れない制服に袖を通して理事長に挨拶する。

「初めまして。忍足です。よろしゅう頼んます」

愛想笑いを浮かべて挨拶する忍足。
理事長は礼儀正しい忍足をすぐ気にいった。

「確か忍足君はテニスをやるんだったね?生徒会長の跡部君が部長だから、この後挨拶してきたらどうだろう?」

「あ、はい。そうさせて貰います」

忍足は理事長に軽く頭を下げ、馬鹿みたいに広い校舎を、地図(校舎の見取り図)を頼りに生徒会長室に向かった。


迷いに迷ってやっとたどり着いた…生徒会長室。

コンコン―

…ドアをノックする。

「誰だ?」

ドアを挟んで不機嫌そうな声がする。

「あ、今日転校してきた忍足です。理事長さんに挨拶してくるように言われたんやけど…」

「……入れ」

忍足は慎重にドアを開け、室内に入る。
普通の生徒会長室なんかとは全く違う(豪奢な作り)。
黒い皮張りの高級そうなソファーに座らされる。
生徒会長…らしい少年はコーヒーが入ったカップを持って忍足の前に座る。
それのひとつを忍足の方に押しやった。

「生徒会長兼テニス部部長の跡部景吾だ」

「あ、初めまして、忍足侑士いいます。よろしゅうお願いします」

跡部のあまりの美しさに圧倒された忍足は、それだけ言うのがやっとだった。
跡部は持っていた封筒の中から書類の束を取り出し、忍足に言った。

「確認と検査をさせてもらう。今からする質問に、全て答えろ」

有無を言わさぬ口調で命令すると、早速質問を開始した。
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