★ブルー*ベリー★

□欲望の果て
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「バトルロワイヤルやて・・・?」

ジローにずっと片想いしてて、
    やっと告白して、
        晴れて恋人になったばかりなのに。
ここで殺されてしまうなんて、
  そんな理不尽なこと、受け入れられるわけない。
二人で、逃げ切る。
  それしかない。




□■欲望の果て□■




襲ってくる奴らは
 俺が   全部
   返り討ちにした。
彼・・・ジローは
  手を汚してはいない。
そんな姿を見るのは耐えられないから。



彼は俺を見て
少し悲しそうな顔をしていたけど。
そして・・・自分の考えと想いを打ち明けたら、
       儚く
笑っていた。




ここにいると、
自分の周りの景色が・・・色褪せてしまったようで・・・
彼の感情も・・・
読めなくなってきたような気が、   した。
何度やっても慣れない・・手に伝わる・・・
     人を殺す感触。
その度にはち切れそうに踊る   心臓。
彼の・・・
何もかも諦めたような
    表情。




「侑ちゃん・・・もう無理しないで・・・?
 侑ちゃんの辛そうな顔・・見たくないよ・・・・」




    いつだったか彼は言っていた。
俺は不謹慎にも、        それを聞いて
嬉しかったのを
       覚えてる。




そして・・・
ここに来て、    何日   経っただろう。
何度目かのアナウンス。
それで・・・聞いた。
        残りは、俺達
二人だけだということを。
ただ・・・
  その時は夢現で・・・あぁそうなのか、と
     妙に冷静に納得している自分がいた。
その時・・・
横にいるジローが
     起きた。
 何かあったのだろうか。
彼は言った。



「あと二人なんだってね。良かった」



そうだよ。
最後まで
  君と一緒で良かった。



「ホント良かった。
   俺にも・・・」



彼は何を持って・・・?



「俺 に も
一 人 く ら い
獲 物 を 残 し て  く れ な き ゃ」



     そうか・・・。

判った・・・。

     彼が悲しそうに  笑ったのは・・・

彼の感情が
     読めなくなったのは・・・


目の前で見た
    殺し合いに
沸き上がる感情を    押 し 殺 し て い  た か ら・・・



「 バ イ バ イ 」










      最後に・・・










   彼の・・・










ジローの・・・










       声が・・・










 聞 こ え た・・・










END...
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