王子
□妄想日記
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それはもう、運命的な出逢いでした。
彼はある日突然私の世界に入ってきたのです。いつもより一本速い電車に初めて乗った時のことです。
誰よりも輝いて、誰よりも目を惹く彼に、私は出逢ったのです。
私は知りませんでした。
彼の名前は「土方十四郎」。実は同じ高校に通っていたらしいのです。
本来ならば制服で気付くべきだったのでしょうが、その時はもう、本当にそれどころではなく。虜だった。・・・仕方のないことです。
私より1つ学年が上の彼。そうですね・・・「土方さん」とでも言いますか。
彼はどうやら、学校でも有名な方だったようです。
眉目秀麗、品行方正、文武両道。
そのくせ硬派ときたらもう、誰もが一度は恋してしまうのではないでしょうか。
私は勿論、性別は彼と一緒なもので・・・、だからきっと注意も向けていなかったのです。
だってそんなの、世間一般では「気持ち悪い」でしょう?・・・・その一言で終わります。たったそれだけで。