黒子のバスケ

□12月20日……あぁ、それでか…。
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色とりどりの髪が、黄色を中心に揺れていた。


「明日って、赤司っちの誕生日ッスよね?」


教室の女子が浮き足立つ様子を目の端に捉えながら、黒子は読書の手を止める。

「はい、12月20日ですので赤司くんの誕生日です。」

「漸く赤司も13か(笑)」


青峰がお馴染み、まいちゃんの写真集を見ながら笑う。
黒子と赤司は、皆に比べて遅生まれのためだ。


「赤ちんって、何でも持ってる気がするから、誕プレ悩むし〜。」


例によってお菓子を食べながら、紫原は口を尖らせた。


「ものを食べながら話すんじゃないのだよ、」


眉を潜めながら、緑間は眼鏡のブリッジを押し上げた。


「確かにムッ君の言う通りよね〜。赤司くん、何かと入り用のものは全部持ってるもん!」


桃井が苦笑しながら、溜め息をつく。



「いえ…。そうでもないですよ?」


「「え?」」


否定した黒子に黄瀬と、桃井が驚いて振り返った。


「どう言うことッスか!?」


詰め寄るように捲し立てる黄瀬に黒子は表情一つ変えずに、視線を斜め前にやった。



「?誰ッスか?」


黄瀬が黒子の視線を追った先には、休み時間にも関わらず、静かに読書に励んでいる女の子が居た。


女子に混じって赤司の噂をすること無く、ただ自分の時を過ごしていた。


「加羅北 涼さんです。」


それに、緑間が付け加えた。


「学年3位だった筈なのだよ。」


「頭良いのか…。で?アイツがどうかしたのかよ?」


気だるそうに青峰がたずねると、黒子はサラリと答えた。



「赤司くんの……意中の方です。」


「へぇ、赤司っちの意中の……え?」




「「えぇ!?」」




視線が集まり、黄瀬と桃井が誤魔化すように渇いた笑いを浮かべる。


その中で、加羅北も振り返ったが、桃井と視線が合うと…微笑を一つ。
そしてまた、読書の手を進めた。



「ふ〜ん。赤ちん、好きな人居たんだ〜。」
「な、な、な、///!?」
「赤司も隅に置けねぇな」




赤司が好みだと言った、"清楚な女性"にピタリと一致する加羅北にキセキの世代は、全一致で赤司の誕プレを決めた。




――赤司には、"彼女"を、プレゼントしよう!!



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