夢王国と眠れる100人の王子様
□ショコラの甘味
1ページ/5ページ
「リカさん?どうかしたんですか?」
本日、ショコルーテでは建国記念式典がある。
その来賓として、青藍はリカ王子の城に呼ばれていた。
国中大にぎわいで、城にまでその声が聞こえてきている。
式典は午後からとあって、今は準備の最中であるが、手回しの早いリカは、すべての準備を整えており、後は式典の正装を着るだけとしていた。
そんな彼が、いま、なぜか物憂げな瞳でこちらをじっと見ている。
「おまえ、街に行かねぇの?」
ショコルーテは祭りの真っ盛り。つまり、外にいる方が、大抵、人は楽しい。
しかし、リカの目の前には、客人であり、トロイメアの姫である青藍がいるのだ。
しかも、ゆっくりと寛ぎ、本を片手に、リカの淹れたミルクチョコレートとリカの焼いたチョコチップクッキーを食べて……。
next→