読みたいもの…ある??

□ナギと遭難
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バサバサバサッ!!
ギェ――――ッ!!
ホォホォホォ……


夜の無人島。
未知の闇が背中から迫っている気がした。
然り気無い防衛本能から、自身を抱き締めた藍。


すると、左肩に大きな手が添えられ右に抱き寄せられた。


「不安がるな。」
「ナギ…?」


狼煙代わりの焚き火を見つめ、木をくべながらナギは落ち着いた様子で淡々と告げる。


「あいつらはオレ達を探している筈だ。シンが計算してここを割り出してる筈だしな。それに…」


ナギは不敵に微笑んだ。


「お前のことは、必ず守る。」
「ッ!…うん。」


身を預けて、目を閉じると当たり前のように口付けが降り注いだ。



「懐かしいね…?」
「?」


出会ってまもなく、2人でこうして遭難したときがあった。


「ナギ、助けるために飛び込んでくれたよね?」
「ッ///…忘れろっての!!」
「嫌♪」


藍は微笑しながら顔を背けたナギを見つめる。


「忘れないよ…。忘れられないもの…。」
「藍…。」


えへへ、と照れ笑いを見せ藍はナギの胸に顔を埋めた。


「あの時から、もう、ナギが好きだったのかも。」
「…そうか。」


口付けをしながらナギもまた、思い返していた。



樽から助け出したあの日。部屋を選ばれた時は戸惑ったのを鮮明に覚えている。

誰一人近づけさせなかった炊事場に容易く入れた己の気が知れなかった。

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