恋に落ちた海賊王
□カノンに〇〇させてみた。
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カノンに"可愛い"こと言わせてみた
お相手:リュウガ
大海原を軽快に進むシリウス。
海軍も、敵の船も回りにはいない。
要は
「暇だ」
「ハヤテさん、暇なら少しは手伝ってください!!」
洗濯物を干しながらトワがハヤテに呼び掛けるが、ハヤテは知らん顔して甲板に寝そべった。
剣の稽古はさっきした。
ナギに言われた網の点検も終わった。
やっぱり暇だ。
騒ぐトワを置いてハヤテは船尾へ行くことにした。
絶好の昼寝スポットなのだ。
しかし、先客がいた。
ー船長と……カノンか?
カノンはリュウガが惚れ込んだ唯一の女。
大人っぽい半面、日向で育った危うさがある。
しかし、それを持ち前の洞察力で補ってしまう。
どうやら、デート中だったようだ。
邪魔してはならない。
そう思ったのだが、
「…………。」
波の音を聞きながら、カノンは然り気無くリュウガを見た。
海を見つめる穏やかな瞳。
潮風になびく深紅の上着を肩にかけ、静かにたたずむ姿は……
「どうした、カノン?」
「こんなにかっこいい人が私を好いてくれてるなんて、幸せだなって、思ってたの。」
然り気無く放たれたそれは、
リュウガの口説き文句よりも質が悪かった。
END