スラムダンク
□君が好きだと叫びたい
1ページ/2ページ
朝、6時30分。
親に起こされて今日が土曜日であることを、まだ活動しない頭でぼんやり把握する。
「ほら、楓ちゃん!あなた起きないと‼部活に遅れるわよ?」
「ム……………。」
なんとか起き上がり、ベッドの足元に置いておいたジャージとトレーナーに腕を通す。
「…今日も、帰りは夕方。」
「あら、そうなの?お昼は?」
出ていきかけた母が、こちらを振り向く。
最近、また小さくなった気がするのは、自分の身長がまた伸びたせいだと、どうでもいいことが頭をよぎる。
「…コンビニでなんか買っていく。」
「あら、そうしたら…お金渡すわね?」
「…へそくり」
「楓ちゃん………?」
母の背後に黒い色が立ち上る。
「スンマセン。」
ため息をつきながら、お野菜類も買うのよ?などと言われる。それに適当に答えながら、いつのもスポーツバッグを肩にかけイヤホンを耳にする。
聞きなれた洋楽が流れだし、一言二言、母親と言葉を交わしてドアを明けた。
ドアの向こうには、眩しすぎる朝焼け。
流川は目を細めて玄関から出る。
そして、朝日を背負い、静な休日の街中を走り出した。
next→