秘めごと(夢小説)
□奥州で水遊び
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成実「あっぢぃー!!!なぁ、そろそろ休憩入れようぜ?」
政宗「あぁ、そうだな。馬達も疲れているだろうし水を飲ませに少し休むか。どう思う、小十郎?」
小十郎「そうですね。この先を半刻も行かないうちに、小さめの川があるはずです。そこで休憩を取りましょう。エマ、もう少し大丈夫か?」
エマ「あ、はい。私は平気です!」
そう答えたものの、とある領地の視察からの帰り道、奥州では珍しい炎天下の下、額からは汗が滴り落ち、実際喉はからからで、馬にずっと揺られているせいか体中、強張る様に痛くなっていた。
そんな疲れを笑顔で隠して私は先行く三頭の馬に遅れをとらないように手綱をきゅっと握りなおした。
・・・・・・・・・
小十郎様の言ったとおり約半刻ほどして、私達は流れの穏やかな清流へとたどり着いた。
成実様が真っ先に馬から飛び降りると、着ていた着物を脱ぎ捨てふんどし一枚になりその清流へと飛び込むと、寝転ぶようにして身を浸す。
成実「っ・・・・あぁーーー!!!生き返るーーー!!」
水でバシャバシャと顔を洗い、ぬれた頭をぶるぶると犬のように震わせてあたりにしぶきを散らす成実様。
目のやり場に困るほどあけっぴろげにその逞しい裸体をさらすものだから、照れている自分のほうが間違ってるのではないかと錯覚すらしてしまう。
私と他の二人も馬から下り、強張った体の筋を伸ばしながら水辺へと足を運ぶ。
草履を脱ぎ、着物の裾をまくり素足を透き通る水に浸せば、その冷たさから、背筋がピンとなる。
エマ「うわぁー、気持ちいいっ!疲れが癒されるようですね」
政宗「あぁ。暑さが心なしか和らぐな」
ふと水をぱしゃぱしゃと蹴っていた足先から目を上げると、小十郎様の背後に「しーっ!」と口元に人差し指を当て片目をつぶりながら成実様が近づいてくるのに気づく。
私がきょとんとしていると、成実様が一気に距離を詰める。
成実「食らえ、小十郎!!!」
そう言いながら全身を使って大飛沫を上げる。
頭のてっぺんからずぶ濡れになった小十郎様は一時を置き状況を理解すると、わなわなとこぶしを震わせながら成実様を怒鳴りつける。
成実「そう怒るなよ。だって暑いのにお前らがなかなか脱がないからさー。ちょっと手伝ってやっただけだよ」
毒のない笑顔でにかりと口角を上げそう言い放つ成実様に、とばっちりを受け雫をしたたせる私も政宗様も思わずぷっと吹き出し、気づけば小十郎様も観念したように首を振り破顔し、大笑いする私達を優しく見つめていた。
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