秘めごと(夢小説)

□風魔と祝う誕生日の夜
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―――ところ変わって、館から離れた人目のない河原では……

エマ「うまく、ごまかせたでしょうか?」

風魔「さあ、どうでしょうね。才蔵さんは鋭いから気づかれてしまったかもしれませんね」

エマ「あ、あの、風魔さん!」

風魔「エマさん、どうしました?」

エマ「そろそろ、離してくれてもいいかなぁ、って。こんなに近いの、恥ずかしくて……」

目的の場所に着いた後も一向に離す様子はなく、風魔に横抱きにされたままのエマの頬は火照り、胸の高鳴りは一向に治まらずにいた。

風魔「ふふふ、そんなもったいないことできませんよ。せっかくあなたと二人きりの時間を手に入れたというのに、一時たりとも離す事なんてできません」

エマ「それは、そうかもしれないですけど……」

風魔「ほら、そんなに俯いてばかりでなく、あなたの美しい顔を僕に見せてください」

おずおずとエマが顔を上げると狙い澄ましていたかのようにやんわりと、しかし的確に風魔の唇がエマのそれを捉えた。

エマ「っ……!」

風魔「ふふ、あなたの柔らかそうな唇、ずっと味わってみたいと思っていました。こうして独り占めできるこのときを、どれほど待ち焦がれたか。ああ、僕だけのエマさん……!」

エマ「風魔さん、そんなにドキドキ、させないで下さい…。心臓が、おかしくなりそう」

風魔「あぁっ、なんてかわいい人だ!このまま食べてしまいたいっ!あ、しかしまずはこれを。今日はあなたのために贈り物を持ってきました!どうぞ、受け取って下さい」

エマ「これは……?」

風魔「あなたの誕生花である月下美人をかたどった首飾りです。月夜の下でしか逢瀬を重ねられない僕たち、その儚い明かりの下で見るあなたは、月下でたおやかに咲くこの花のように、艶やかで美しい。僕の想いをあなたの心の一番近くに、昼夜問わず居させてください。」

エマ「あの……、風魔さん、ありがとう……。嬉しくて、言葉に、なりません」

思わずエマは風魔の首元に抱きつき、その柔らかい髪に鼻先を埋める。

風魔「言葉にならないのなら、行動で示してください。僕が何をされたら悦ぶのか、もうあなたには分かっているでしょう?当たったらご褒美を、外したらお仕置きが待っていますよ?」

そう挑戦的に言われ、しばし考えた後、おずおずと風魔の頬に口付けるエマ。

エマ「こう、ですか……」

風魔「ふふふ、まったく可愛い人だ!しかしハズレです。さあどんなお仕置きをしてあげましょうか……!ああっ、大好きなエマさん、今夜は忘れられない誕生日にしてあげますよ」

そう言いギラリと光を増す風魔の瞳。
しかしそんな視線すらエマの体を熱くし、「お仕置き」という名の愛情表現への期待に胸がさらに高鳴るのだった。

風魔と過ごす誕生日 終



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