秘めごと(夢小説)
□冬の朝
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外気にさらされている顔はひやりとするのに、かけ布と愛しい人の体で覆われた私のそれはしっとりと汗ばむほどにポカポカとしていた。
両足は彼のそれと絡み、背にはしっかりと力強い腕が回っている。
「ん……」
ゆっくりと目を開くと胸元にふさりと柔らかい髪が見えた。
「秀吉様……」
そっと囁いてみると、んんっと身じろぎ無意識なのか鼻先が乱れた合わせから覗く谷間に埋まり、定期的に吐かれる寝息が素肌をそっとくすぐる。
「ふふっ」
こんな風に甘える様子は珍しくていじらしくて、秘密を楽しむようにゆっくりと髪を梳き寝顔を盗み見る。
すると、寝ているはずの彼が唇で乳房を食み、舌先で肌をなぞり出した。
「え、秀吉様、起き、てる……?」
それには答えず相変わらず吸い付いてくる唇に、背中からいつしかお尻に移動した手がまぁるく輪郭をなでる。
「……ッ」
胸元の突起を捕らえた舌先はあくまでゆっくりと、もてあそぶように動くから声を上げることを耐え、与えられる刺激をじっくりと味わう。
太ももの内側へと滑り込んだ指先が柔らかい肌をじんわりとなぞり、その指先が徐々に頂点へと近づくたび、ぞくりと背筋が震える。
ついに指先が太ももの中心を捕らえ、溢れ出した蜜をとろりと優しくかき混ぜれば堪えていた吐息を抑えることができなくなる。
「……んっ、秀吉様、昨日も、したのに……」
「ん、したって、何を?」
「その、たくさん、愛してくださったのに、また……」
迷いの言葉をつぶやきながらも太ももはその指先を許しさらに触れてと誘い込むようにだんだんと広がっていく。
「うん、エマちゃん、かわいかったよ」
「っ……!そんなのっ、知らない、です……!でも、今、朝だし……」
「俺はいつもエマちゃんに触れたいし、口付けたいし、一つになりたいって思ってるよ?エマちゃんは違うの?」
「そ、それは……。私も一緒……」
甘い声音に促され正直に言うも、羞恥から語尾が消える。
「……ねぇ、俺にも触って?」
それが太ももに当たる、無視できないほどに質量を増し硬くなった秀吉様自身のことだと瞬時に察すると、頬が熱くなり下腹がきゅうっと切なく締まる。
おずおずと指先を伸ばし、合意を示すように優しく上下に這わせると胸元に埋まっていた顔が上げられ、今朝はじめてみるハシバミ色の瞳が私を捉えニコリと弧を描く。
「ん、いい子」
鼻先が合わさり唇が重なり、離れては近づき戯れるように啄みあう。
「私も、いつも秀吉様が欲しいと思っていますよ?」
「うん、知ってる。けどそんな事言われたら止めて上げられなくなるよ?」
「ふふっ、もともと止める気なんてないでしょう……?」
「正解」
途端、指先がつっぷりと潤った内側に侵入すると思わず身を縮め、目の前の首元に顔を埋めてしまう。
「っ、はぁっ、」
そのまま巧みに内側をこすられれば、奥からじわりと快感が湧き出してくるようで、秀吉様が欲しくてたまらなくなる。
「秀吉さまっ、」
すがるような目で見つめ、コレが欲しいと訴えるように力と欲を込め、あてがっていた手のひらを上下に動かす。
「……もう欲しいの?」
瞳だけで肯定の返事をすると甘い彼の瞳が意地悪に細まる。
「エマちゃん、せっかちだなぁ」
「だって、秀吉様がっ……」
「ん?俺が何?」
「っ、あっ、やぁっ、っ……」
そう試すように聞かれると、答える間もなく指先が速さを増し、敏感なソコを幾度も刺激され、あっけなく達してしまう。
「んぁぁっ……!」
「あーあ、イっちゃったの?」
「……ッ、だって、秀吉様が……」
そう責めるように口を尖らせると潤んだ目元に優しく唇を落としながら愛しい人が言う。
「ふふ、意地悪してごめんね?エマちゃんが可愛くて、つい」
甘やかすように口付けをされ、心がきゅっと愛しさを覚え、顔の締まりがなくなる。
もともと「ごめん」なんて言葉が必要なほど怒っているわけではなかったし、秀吉様にされて嫌な事なんて正直一つもない。
……ただ簡単に絶頂を与えられて少し悔しかっただけ。
「エマちゃん、俺に背を向けて?」
言われたとおりにくるりと背を向けると広い胸に体が包まれ、言いようのない安心感が広がる。
寝巻きの裾を捲られると裸のお尻に露わにされた秀吉様の熱を直に感じる。
今にもそれが与えられると思うと、胸が高鳴って、お願いとねだるように押し付け密着させる。
「ふふ、そんなに欲しいの?入れるよ?」
「あぁっ……」
そのままゆっくりと体が一つになると、ぎゅっと力強く抱きしめられ、疼いていた内側もいじけていた心もたっぷりとあっという間に満たされる。
乱れた胸元に手が差し込まれ柔らかく乳房を揉み上げ、くにくにと先端がいじられる。
もう片方の手は太ももの間の敏感な突起をくりくりと優しく刺激する。
「んっ、あっ、ひでよしさまっ……」
激しくない腰つきだけど奥深くまで繋がったそこからゆっくりと愛が送り込まれ全身に快感が広がるようで。
「っ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、」
「エマちゃん、大好き……」
耳元で囁かれ愛しい気持ちが溢れ出す。
冬の凜とした朝日が差し込む中、二人の熱い息遣いは部屋の温度をゆっくりと上げていくのだった。
おわり
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