秘めごと(夢小説)

□混浴短編集
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政宗『一緒にお風呂入る?』


あなた「うん。」

入浴後、あなたはしばらくして政宗とお風呂で遊びます


(お題、無視しました(><)


政宗「エマ……、一緒に、湯に、浸からないか……」

エマ「え……」

政宗「いやなら、構わない」

エマ「あっ、ごめんなさい。少し、びっくりしてしまって。ぜひご一緒、させてください」

…………

もう、何度も肌を重ねたというのに、この気恥ずかしい雰囲気は一体どこから来るのだろう。

双方遠慮がちに、お互いの体を見ないようにと視線を宙に浮かす。

政宗「……俺と一緒だと、落ち着かないか?」

エマ「いえ……、そんなことは……」

ある……。

政宗様が軽く身じろいでできる波が自分の体に当たるだけで、どうしようもないほど意識してしまう。

頭がふわふわとして、のぼせてしまいそうで。

エマ「あの、申し訳ないのですが、お先に上がらせていただいて構いませんか?」

政宗「……あぁ、構わない。無理を言って悪かったな」

私の方を見ず少し寂しそうに笑う政宗様に胸が苦しくなり、いつまでも初心な態度をとってしまう自分に嫌気が差す。

モヤモヤした思いで立ち上がろうとすると、暗闇でカサっと何かが動いた気がした。

エマ「ん……?」

目を凝らしてその方角を見つめると、暗闇の中で見つめ返す鋭く光る数組の瞳。

エマ「ひっ!!」

政宗様に伝えようと目を逸らした瞬間、それらは奇声を発しながら暗闇から飛び出してきて……!

エマ「きゃーーーっ!!」

反射的に政宗様の胸にきつくしがみ付き肩口に顔を埋める。

……一体どれほど身を硬くしていたのか、頭上から降ってきた声は、どっしりと落ち着いていて、頭を撫でる大きな手のひらは、なだめるように優しくて。

政宗「エマ、安心しろ。ただの、………猿だ」

エマ「へ……?」

間抜けな声を出して恐る恐る顔を上げると、そこには数頭の猿が気持ちよさそうにお湯に浸かっていた。

エマ「あ、あは、あははは……」

そのあまりに呑気な光景に一気に体から力が抜ける。

政宗「エマ、胸が……」

どこかうろたえた様な声音にぱっと政宗様を見ると、その顔は赤く、焦点が定まらず。

ふと我に返れば、衝動的に政宗様にしがみ付いた私は、無意識にその逞しい腕に自分の胸を押し付けていた……。

エマ「っ……!」

弾かれたように離れようとする私を強い腕が引き止める。

政宗「いや、いい、このままで。他言する者も、いないだろうから……」

恥ずかしげに辺りを見回せば、我が物顔で向かいに居座る猿たちは我関せずといった様子で。

気が抜けたようにふっ、と笑いが漏れ、改めて私を守るように肩を抱く腕の力強さを感じる。

エマ「(やっぱり、大好きだなぁ……)」

一度肌が触れてしまえば、それまで感じていた距離も羞恥も瞬く間に溶けていく。

物欲しげな瞳同士が交われば、自然と唇も吸い寄せられて……。

ゆったりとお互いの唇を味わい濡れた肌に指先を滑らせる。

そうして恋人たちの夜はゆっくりと更けていった。



《虎松》

エマ「わっ!虎松くん……!?どうしてここに?」

虎松「榊原さんに、風呂にでも行って来いって言われた」

エマ「わたしも、榊原様に……」

虎松「…………」

湯煙に包まれた湯殿で予期せず顔を合わせた私たち。

エマ「…………。い、一体、何企んでるんだろうね、あはは〜……」

虎松「なんか、ごめん」

エマ「いや、虎松くんは全然謝らなくていいよっ!あの、少し後ろ向いてもらってていい?私、上がるね!虎松くんは、ゆっくり入ってて!」

視線も合わせられず、ゆったりと波打つ水面に目をやりながら早口でまくし立てる。

虎松「もう少し、ゆっくりしていけば?」

エマ「え?」

ちらりと視線を上げると、大きな瞳と目が合い、さっと逸らされる。
あさっての方を見やる彼の耳が、赤い。

エマ「でも、私がいるとゆっくりと浸かれないでしょ?やっぱりあが……」

虎松「アンタさえ良ければ、俺は、いて欲しいと思ってる」

エマ「っ……!」

日ごろ穏やかな彼が発した少し張り上げた声に、心臓がびくりと跳ねる。

だけど、それは嫌な感じではなくて、何かを期待するように鼓動が走り出す感じ。

エマ「わ、わかった……!」

何を話すでもなく、湯煙に包まれた時間はゆっくりと流れる。

ちらちらと横目で後ろ姿を覗いても、彼の背中は微動だにしない。

エマ「ねぇ、虎松くんって、意外と肩広いね」

虎松くんがこちらへ俯き加減で顔をかしげる。

エマ「いつも忠勝様と一緒にいるから気づかなかったよ」

虎松「あの人と比べられたら、勝ち目ない。熊みたいにデカイのに、技術も速さもあって。俺の目標」

エマ「そっかぁ。いっつも鍛錬頑張ってるもんね。虎松くんが強くなると私も嬉しいなぁ」

遠慮がちに向けられた視線が私のものと絡む。

虎松「……それって、どうして?」

エマ「うーん……」

即座に言葉を紡げずにいると、入り口の方から湯煙に包まれて歩いてくる影があった。

エマ「えっ……?!」

目を白黒とさせる私に冷静な声が告げる。

虎松「アンタはあの岩陰に身を隠して」

隅の少しくぼんだ岩陰にそそくさと身を運び、顎まで浸かるようにして身を縮める。

そして虎松くんが私を隠すようにその前に身を置いて……。

エマ「(えっ、ちょっと?!背中、触れてるっ……!!)」

気のせいではないほどぴったりと触れた背中の感触に一気に鼓動が速まる。

家康「あれ、虎松、お前だけ?」

虎松「はい」

背中から伝わる熱を頭から追いやろうと、ぎゅっと目を瞑り、耳に全神経を集中させる。

ちゃぷりと音がして、声の主の家康様がお湯に身を浸したのが分かる。

家康「榊原にエマがここに居るって言われたからさ、からかってやろうと思って来たんだけど。あいつ見かけなかった?」

エマ「(またあの人ッ……!!)」

真意の読めない彼の行動に頭を抱えると、虎松くんが口を開く。

虎松「いえ、彼女とは入り口で丁度会いましたが、俺が入るところだったのでそのまま立ち去ってしまいました」

家康「ふーん、つまらないな。ならもう上がる。男と長湯なんかしても面白みがないし」

虎松「…………」

息を潜めながら会話の成り行きに耳を済ませていた私は、家康様が長湯せず去ってくれることにほっと胸を撫で下ろす。

ピタ、ピタ、ピタ……。

濡れた足音が離れていくと、シンと静まり返った湯殿にまた二人残されて、気恥ずかしさに今一度包まれる。

虎松「ゴメン、咄嗟だったから……」

エマ「う、ん……」

そう言いながらも離れない背中越しに力強くて速い鼓動が伝わってくる。

エマ「虎松くん、すごく、ドキドキ、してる……」

虎松「え、それ、アンタでしょ」

はっと肩越しに振り返ると、同じように振り返った虎松くんと至近距離で目が合った。

吸い付くように密着した肌を打つお互いの鼓動は、忙しないのにどこか心地よくて。
広いと思った背中は、私のものと重なると、やっぱり広くて硬くて男の人のそれで。

無理に離す理由もきっかけも掴めないまま、ゆったりと時は過ぎていった。

おわり

追記
虎松くんのイメージは一番目のイベでヒロインと背中を合わせる幸村様のスチルです♡
このスチルをトレスして虎松くんの顔を付けられる方いませんか?!((∩^Д^∩))www



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