血桜鬼
□第1話
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「そいつが目撃者?ガキじゃん。」
「それ言うならお前も似たようなもんだろ。」
「めっちゃ足出してんなー…」
「新八っつあん変な目で見てるー気色悪〜。」
小柄な男の人と筋肉質な男の人とサラシ巻いた赤髪の美形な男の人が私を見て言った。
『えっと…』
「あ、こちらの座布団に座ってくださいね。」
『はい…』
座ると、昨日見た美しい男の人が質問してくる。
「昨日の夜、何故あそこにいた?お前は何者だ?」
眉間に皺を寄せて聞いてくる。
『私の名前は如月妃奈といいます。
質問に答える前に私も質問したいことがあります。差し支えなければ答えて欲しいんですが。』
「……お前の質問に答えたら、俺達の質問に答えてくれんのか?」
『はい。』
私は頷いた。
まず私は
「今は何年なんですか?ここはどこですか?あなた達は誰なんですか?」
「今は文久3年10月、ここは京の都、俺達は新選組という。」
『新選組…!』
『(やっぱりタイムスリップしてたのね…新選組は幕末の有名人。その人たちに会えるとは…)』
感心していると、
「じゃあ、今度はお前のことを教えてくれ。」
私は頷いた。
『私は150年程未来の者です。朝学校に行くために神社を近道に使ったら意識がいきなり遠くなり、気が付いたらあの路地裏で寝ていました。
そして、そこで奇妙な声がしたので覗いたら白髪の男に襲われました。』
「つまり…お前は未来から来たって言うのか?」
『はい。』
「証拠は?」
「そうだなぁ…、証拠がないと信じらんねえし。」
『うーん、この服は未来の服です。見たことありますか?』
「ねぇな。奇妙な着物だと思ったが。それが未来の服なのか。」
私はセーラー服をみんなに紹介?した。
後はカバンに入っていた、ノートやボールペン、携帯電話等を見せた。
「…これは信じられなくても信じるしかねぇな。だが、お前は昨夜アレを見たんだな?」
『(…アレ?もしかしてレブナントのことかな?)』
私は頷いた。
「悪いが、アレを見た人間には死んでもらうことになる。」
『え!』
『(私死んじゃうの?いや、死なないからどう誤魔化すべきか…人生まだまだなのに…)』
うつむいていると、
「よし!君は我々新選組が預かろう!未来から来たなら身寄りもいないだろう。」
「はぁ!?近藤さん何言ってやがる!?こいつはー」
「もう決めたことだ!いいよなトシ。」
「ったく…かなわねぇなあんたには。」
土方は妃奈の方を向いた。
「お前のことは新選組預かりとする。だが、女が屯所にいるとなると風紀が乱れるからお前には男装してもらう。」
『(勝手に話進んじゃったけど…拒否権はなさそう。)』
そう思い、承諾した。
「そういや、自己紹介してねぇな。俺は新選組副長土方歳三だ。」
「俺は新選組局長近藤勇だ!分からないことは何でも聞いてくれ!」
「私は新選組総長山南敬助です。よろしくお願いします。」
「俺は八番組組長藤堂平助だ!年近そうだし、平助って呼んでくれな!」
「俺は二番組組長永倉新八だ!屯所に女の子がいるってだけでなんか屯所が華やぎそうだな!」
「俺は十番組組長原田左之助だ。よろしくな。」
「僕は一番組組長沖田総司。よろしくね妃奈ちゃん。」
「…三番組組長斎藤一だ。」
「一くん素っ気ないよ。」
「そうか?」
すると、土方さんが咳払いした。
「じゃあ、男装に着替えてきてくれ。着物は…斎藤貸してやれ。」
「分かりました。如月行くぞ。」
『あ、はい…!』
そう言って二人は部屋を出た。