血桜鬼

□第19話
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すると廊下をドタバタと騒がしく走る音が。


それは職員室の前で止んだ。






「左之さん、新八っつぁん、妃奈が転入ってマジー…って妃奈!?」


『平助君?』






そこにいたのは私と土方さんで看取った筈の彼。
相変わらず元気で、なんか昔(幕末時)より若く見える。






「平助君足早い……妃奈ちゃん?」


『千鶴!』


「妃奈ちゃんっ!」






私と千鶴は抱き合った。






「また会えたね。妃奈ちゃん。」


『別れる時、言ってたもんね。』


「僕も忘れないで欲しいな。」


『沖田さん! あれ若いなぁ……』


「うん、僕今ピッチピチの17歳だからね。」


『同い年っすか!?』






沖田さんが同い年ってびっくり。大人だったのにな昔は。


ちなみに千鶴は16歳。つまり年下らしい。
斎藤さんと平助君は同い年。

で、原田さん、永倉さん、土方さんが先生か。
まぁこの人達まで生徒だったらびっくりじゃすまなかった気がする。






「ちなみに山南さんが保険医、近藤さんがこの学園の学園長な。」


『山崎さんと島田さんは?』


「山崎は2年、島田は教師だ。」






山崎さん同い年っすか。調子狂いそう……


千鶴は聞いてきた。






「妃奈ちゃんはやっぱり吸血鬼のまま?」


『生まれた時から吸血鬼だから帰っても変わらないね。』


「妃奈ちゃんが苦しいままなんて……人間にはなれないの?」






人間……不便そうだけどな。だって傷治らないし、すぐ年取るし、空飛べないし……


でもみんなを見てて人間もいいなと思ったのは事実なんだよね。






『ないことはない、けど……』






方法がなぁ……


何故かみんなの注目集めてるし。






「方法って? 私、妃奈ちゃんが楽になれるならなんだってしてあげるから!」


『……千鶴の気持ちは嬉しいけど、千鶴じゃできないんだよね……』


「??」


「ねえ、もったいぶらずに教えてよ。人間になる方法。」






どうしよう。


恥ずかしいんだよね……


私は土方さんを見る。土方さんもできるなら教えろ、という目をしていた。






『……土方さんに耳打ちするので、みんなに話すかは土方さんが決めてください。』


「俺? わかった。」






私は土方さんに人間になる方法を耳打ちする。


漫画とかで定型的なアレなんだけどね。






『ーーーーーーーー』


「っ………!!?」






土方さんは内容を聞くと、私から飛び退いた。まぁ内容、がね……






「嘘じゃ……」


『ありません。』


「§§@*☆%£¥〜〜〜」






土方さんが壊れた。






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