曼珠沙華の花束を貴方に
□第一話、天上へ送る花火
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頭を捻ってもまったく思い出せない。
「名はリコリスだな」
なんでこんなことになってしまったんだろう。
「ふむ、悪事は働いていないようだ」
やりたいことだっていっぱいあったのに。
「リコリスの判決は……」
せめてあっちでは花畑でゆっくりしたいなぁ……
「『地獄のオニ』に任命する!」
「……はい?」
私がいるのは閻魔の間。
どうやら死んでしまったようなのです。
数時間前までお父さんとお母さんとご飯を食べて、趣味を楽しんで、普通に生活してたはずなのに。
しかもこの人、今なんと?
「何ですかそれ!?地獄の鬼!?
天国か地獄じゃないの!!?」
「リコリスの特殊能力を買った結果だ」
私に能力?
まったく意味がわからない。
「能力なんてないもん!普通の女の子だから!!
どうせ死んだんだったら天国に行かせてよ!!」
「なんだ、気付いとらんかったのか。
まぁそう焦るな、ちょっと待っとれ。
ええと、」
再び手元の書類に目を落とす閻魔様。
というか閻魔様ってこんなスーツとか着てカジュアルな感じなんだ。
思ってたのと大違い。
びっくりするほど大きいってところは想像通りだけど。
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