曼珠沙華の花束を貴方に
□第二話、玉虫色の罠
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別室に通されソファに腰掛けた数分後。
ガチャリとドアが開いて山吹色の道着?を来た青年が入ってきた。
「オッス!オラ悟空!
おめぇがリコリスかあ、よろしくな!」
「はい、リコリスです。こちらこそよろしく!」
あぁ、閻魔様が言ってた人か。
彼、悟空は大輪の向日葵みたいに笑った。
少年のよーないい笑顔だ。
「悟空も死んでるんだね。頭に天使の輪ついてるし」
「ははっ!そーなんだよ、まーた死んじまってよー!」
ケラケラと笑いながら悟空は答えた。
……また?
ってどういうこと?生き返ってまた死んだってこと??
「閻魔様から聞いたんだけどよ、あいつらを抑えることができたら天国に行けるんだってな!
ってことはリコリス、おめぇつええんか!?」
「いや、私は全然……」
目をキラキラと輝かせている悟空だが、いかんせん私は普通の女の子である。
ミスターサタンに憧れて武術を始めたけど体力が持たず三日坊主になってしまった、という経歴を持つだけの。
「ふーん。まーいいや!
とにかく地獄に向かうか!」
ぽん、と背中に触れる悟空。
早速!?ちょっと早すぎない!?
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