曼珠沙華の花束を貴方に
□第四話、猛毒警報発令中
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地獄っていうのはやっぱり広いもので、どこまで行っても果てがない。
針の山や血の池といった現世でもメジャーなスポットから遊園地などという、地獄にはおよそ似つかわしくない施設までいろいろな場所があった。
その辺りで人魂がちらほらと見え出した。
やっぱり一般人は身体を与えてもらえないのかな?
「リコリスも飛べりゃ苦労しねーのになぁ」
「私にはそんなトリック使えないんだって」
「ちょっと試してみようぜ、死んだらできましたーなんて展開もあるかもしれねーしな」
ふわりと公園に降り立ち、ラディちゃんは私を下ろしてくれる。
そんな漫画みたいな展開あるわけない……って思ったけど、お話の中でしか聞いたことがない『瞬間移動』があるくらいだし、ありえるかも。
「リコリス、ちょっと気合い入れてみろよ」
気合い入れろってそんな簡単に言うけど、どーすればいいんだ。
というか本当にトリックじゃないのか。
「わかった、やってみる……」
すぅ、と深く息を吸う。
「はぁぁああああ゛!!!」
……なにも起こらない。
強いて言えばその辺にいた人魂たちがビクッとしたくらい。
「最後おっさんになってんぞ」
そしてラディちゃんのダメ押し。
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