曼珠沙華の花束を貴方に

□第九話、第一発見者
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突然現れたその人は、いきなりフリーザさんを攻撃したかと思うと私を片手で抱えて飛び立っていった。

「フリーザさんになにすんの!!というか降ろして!!」

「貴様を連れて来いと言われたのだ。
……フリーザ様には申し訳ないことをしてしまったがな」

誰によ。
そいつは青色の皮膚に金の髪色で……でもどこかで会ったことのあるような?
とりあえずイケメンではあるけど、今はそれどころじゃない。
じっと前を見据えたまま彼はどこかに向かっているようだった。

「どこに連れてく気!?」

「静かにしろ、じきに着く」

スタッと降り立った彼の目の前には、さっきこの人に不意打ちを喰らって気を失ったフリーザさん……

「連れてまいりました、クウラ様」

の、お兄さんがいた。
相変わらずものすごい威圧オーラ。
身体はそんなに大きくないのに……
他には緑の大柄な男と茶色の身体をしたヒト……?もいた。
この人たちも宇宙人なんだろうか。

「ご苦労……」

一言しか発してないのに身体が凍ってしまったみたいに動けなくなる。
……私、この人苦手かも。

「……貴様……リコリス、と言ったか」

私の名前知ってたんだ、意外。
ごくり、と息を飲んで、

「はい……」

何で知ってるの、何の用なのって聞きたかったけど、それ以上言葉を発せなかった。


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